2020年後半を振り返って

先日、無事 (?) に修士論文を提出しました。少し休んで、この修士研究をもとに、ジャーナル論文を書いています。今月中には、次のオンライン実験を始めたいところです。対面実験は当面の間、中止になりました。あと、初めての国際会議でのポスター発表も修論提出直後にありました。オンライン開催で、「スラック」というものを使いました。自分のチャンネルに5分の研究紹介動画と、発表資料を張っておいて、自分の担当時間に、質疑応答と議論をするという感じでした。アブストも公開されています (https://bcccd21.sched.com/event/gE9J)。

あと、宣伝ですが、私の研究室も関わっている研究プロジェクトで、ゆるキャラロゴマークを募集しています。クオリアやお絵かきが好きなお子様やお友だちがいましたら、ぜひ教えてあげてください。小学生、中学生、高校生、大学生 (一般も) が応募できます (つまり誰でも)。

docs.google.com

 

それでは、2020年後半を振り返ります。

【7月】

・ジャーナルクラブで、Cohen and Rubenstein. (2020) を発表しました。

www.sciencedirect.com

 

・授業で、シミュレーションの教科書の章を発表して、emergentを動かしてみました。

github.com

・英語ゼミで、Plebanek and Sloutsky. (2017) を発表しました。

journals.sagepub.com

・Inquisitを使って実験コードを書いて予備実験を行いました。

www.millisecond.com

ベイズ統計モデリング勉強会で、ロジスティック回帰モデルと交互作用を発表しました。

実践Data Scienceシリーズ RとStanではじめる ベイズ統計モデリングによるデータ分析入門 (KS情報科学専門書) | 馬場 真哉 |本 | 通販 | Amazon

修論研究の倫理が無事におりました。

 

【8月】

・予備実験、データ解析、実験コードの修正の繰り返しました。

・カンデル・RStudio勉強会で、「視覚情報処理と行動」を発表しました。

www.amazon.co.jp

www.amazon.co.jp

・9月にある、YPP2020と赤ちゃん学会の発表抄録を準備しました。

 

【9月】

・ジャーナルクラブで、Hviid, Pin, Skora, Standberg, Overgaard, and Wierzchon. (2020) を発表しました。

www.sciencedirect.com

・予備実験、データ解析、実験コードの修正の繰り返しました。

・YPP2020で「子どもと大人の見ている世界は違うか」を発表しました。その後、有志でさらに、研究発表会を行いました。

・論文 "Seven- and eight-year-old children’s deception in the conflict situation" をPsyArXivで公開しました。これは、今年、紀要論文としてどこかに投稿しようと思っています。

https://psyarxiv.com/85b36/

・若手研究者海外挑戦プログラムに応募しました。

www.jsps.go.jp

・学振の不採用通知が届きました。不採用Aでした。

 

【10月】

SRCD (The Society for Research in Child Development) に発表アブストを提出しました。SRCDは落ちることがよくあるので、アブストを英文校閲にも出しました。

www.srcd.org

・BCCCD (Budapest CEU Conference on Cognitive Development) に、発表アブストを提出しました。発達系の院生さんは、SRCDとBCCCDは、主要な国際会議になるのではないでしょうか。

bcccd.org

・実験コードもほぼ完成して、予備実験の打ち合わせをウェブ調査会社と行いました。子どもの結果が不安定だったので、年齢群を慎重に相談しました。

・授業で修論の進展状況を発表しました。

 

【11月】

・コロナで止まっていた前の実験の成人と子どもデータを収集しました。

・研究室ゼミで発表をしました。

・英語ゼミで意識研究のレヴューを発表しました。

サントリー文化財団の「若手研究者のためのチャンレンジ研究助成」に応募しました。

www.suntory.co.jp

修論研究のデータの収集が始まりました。

・BCCCDの研究紹介動画を作成し、提出しました。

 

【12月】

・ジャーナルクラブで、Frank, Brundl, Frank, Sasaki, Greenlee, and Watanabe. (2020) を発表しました。

www.sciencedirect.com

修論研究のデータ収集が終わりました。

・若手海外挑戦プログラムは、不採用Bでした。4月に再び、応募のチャンスがあるので、また挑戦します。

・大学院博士課程編入の願書と研究計画書を提出しました。

・海外ラボ (モナッシュ大 土谷研究室) で発表をしました。

https://sites.google.com/monash.edu/tlab/home

・授業で修論進展を発表しました。

・新しい研究プロジェクトの準備を始めました。

・レジレポのイントロと方法を書き、共同研究者と共有しました。

・後半から修論執筆に専念しました。

・グーグルスカラーとリサーチマップのアカウントを作りました。

https://scholar.google.com/citations?user=Ag5WLRwAAAAJ&hl=ja

渡部 綾一 (Ryoichi Watanabe) - マイポータル - researchmap

 

1/5に修論を提出しました。

こんな感じの半年を過ごしました。

 

卒論生と修論生の方々、大変お疲れさまです。

まだ、頑張っている方もいると思います。

最後までがんばってください。どうか体調を崩さないように。

M2の方は、博士課程進学を再考している方もいると思います。

実験や執筆中にいろんな経験もしたでしょうし、今後のビジョンも変わったかもしれません。

本当にお疲れ様です。同時期に修論執筆できたことをうれしく思います。 

大変なご時世の中で、2021年が始まりましたが、

できることを積み上げていきましょう。

今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

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2020年前半を振り返って

2020年が終わりますね。修士論文の締め切りが1/5です。第二稿を書いて、指導教員や共同研究者の先生にコメントをもらったので、提出までに修正しています。この一年に何をしていたかを振り返ろうと思います。私は、発表した資料や提出した書類をファイリングしています。ちなみに、今年一番のがっかりイベントは、想いを寄せていた女性に振られたことで、一番のやったーイベントは、妹が入籍して、かつ、甥っ子が生まれたことです。ちなみに、私の家系では、妹が初の大卒者で、お兄ちゃんは、いろいろと先を越されてばかりです。長男だけど、がんばれてないかもしれない。

 

【1月】

12月にやっと実験計画が固まって、実験用PCの到着を待ちながら、倫理審査申請書を初めて書いていた。12月中旬に委員会に提出したのだが、理由を忘れてしまったが、審査には回っておらず、1月に入ってから、事務から返ってきて修正のやりとりがあって、2週目にやっと審査に回してもらった。社会的意義に苦戦した。

意識の研究のレヴューと研究計画について、ゼミ生の勉強会で発表しつつ、成人の予備実験を始めた。

実験プログラムにPsychoPyを使っていたのだが、なぜか100Hzに設定してもモニター上では、50Hzになってしまう現象が起きてしまったので、本実験は、50Hzで20ms刻みで行うことになった。子ども向けの刺激の選定にかなり苦戦した。

2月に、発表の機会が2つあった。「京大の若手研究者の発表会」と「知覚コロキアム」で発表しようと思い、その準備を始めた。ASSC (国際意識学会) の締め切りが3/1だったので、それにどうにか間に合わせようと倫理審査の結果を待っていた。

4月から、指導教員が所属を移動するため、指導委託に関する話し合いがあった。あとは、6月から修論の研究として脳波計測をする予定だったので、その打ち合わせもしていた。コロナで、この研究は、当分できなくなった。

学振に書く内容を考えて、まとめていた。

 

【2月】

子ども向け課題の準備もできて、予備実験を始めた。半分くらい分析には使えない結果になった。なかなか、ルールが子どもに伝わらなくて、いろいろ修正案を考えた。

学振に書く研究計画や業績をMTGで話した。投稿していた論文の審査結果がなかなか返ってこなかったため、編集局に催促のメールを送った。学振の提出があるので、少しだけ急いでもらえませんかとお願いをした。学振の自己アピールを書き始めた。

予備実験のデータを知覚コロキアムで発表することにして、アブストを提出した。CoRN (アジア意識学会) 用に準備していたものがあったので、日本語に直して提出した。しかし、コロナの影響で、知覚コロキアムは中止になった。ちなみに、CoRNも中止になった。

倫理審査通って、本格的にデータを取れるようになった。研究室で使っていた同意書や研究説明書なども指摘が入ったので、いろいろと修正をして受理された。

このころから、知り合いの大学院生と意識研究会を始めた。自分の研究や意識に関する論文を発表して、議論をするようになった。2週に一回ずつ行っていた。

ASSCでの発表用のアブストも提出した。初めての国際会議発表となる予定であった。しかし、コロナで中止になった。

 

【3月】

研究計画をプレレジした。研究室の先輩がいくつかプレレジしていたので、それを参考にしながら、書いて、2回ほど添削してもらってから登録した。

ゼミ生勉強会で、予備データとプレレジに関して発表した。

東京の方では、コロナがはやり始めていたが、関西の方はまだ危機感はなかった。成人のデータを取るために、実験のスケジューリングとチラシやホームページを作成した。ほとんどの参加者は、生協の掲示板を見て参加していた。

ボスが主催する身内の研究会で発表した。イントロの意識研究のレヴューで毎回議論がヒートアップして、実験計画や結果の議論の時間が少なくなることがよくあったので、抑えめに作ったつもりであったが、相変わらずヒートアップした。

自己意識、セルフの勉強会をゼミ生で始めた。私は、ギャラガー (2000)を担当した。他には、ナイサーやロシャを読み合った。

学振書類の第一稿を書き終えて、他の研究室の同期と読み合い回を2,3週ごとに行った。しかし、計画をまるっきり変更することになった。

脳科学若手の会の合宿で発表する準備をしていたが、コロナで中止になった。

 

【4月】

研究室が変わってしまい、元の院生部屋と新しい院生部屋のどちらにいればよいのかがわからなかった。案の定、ボスは、大学は同じで研究科だけ移動になったので、同じキャンパス内で、建物が異なるだけだった。元の方も、新しい院生や留学生も来るということで、物理的に私は行かない方がいいのではないかと思った。新しい方は、所属が違うから行っていいのかがわからなかった。図書館や天気が良い日は外で作業していた。

もともとの研究計画ができなくなってしまい、実験も止まってしまった。そんななかで、ボスが、共同研究の話を持ってきてくれた。意識研究者と共同研究をすることができるようになった。これは、チャンスだと思った。それから、2週ごとにMTGを行った。

投稿していた査読が返ってきた。メジャーだけど再投稿のチャンスがあった。意図が理解できないコメントがいくつかあって、ボスや先輩に相談しながら、なんとか修正をして再投稿した。4つ目のジャーナルでやっとレヴューに回してもらえたことはうれしかった。

学振書類も修正して、先輩や同期に添削してもらいながら修正した。

やっと3月から始めた実験は、そのまま中止になった。

【5月】

論文がリジェクトされた。2回目の修正のチャンスはなかった。その後、他の雑誌2つに投稿したが、リジェクトとなった。もうこれ以上、投稿する雑誌は、無さそうだったので、ひとまず置いておくことにした。学振には間に合わなかった。

いろいろあったが、学振の書類を無事に提出した。実際の指導教員と書類上の指導教員が違うので、少しやりづらいところがあったが、お二人の協力のおかげで出せた。

 

【6月】

授業ゼミで先行研究レヴューと実験計画を発表した。研究室でも発表をした。

このころくらいから、新しい院生部屋を使えるようになって、先輩方からいろいろと教えてもらえるようになった。

 

ここから、快進撃が始まるのだった。。。

とりあえず、これくらいにしておこう。

振り返るのも大事だが、休むことも大事である。

修論を提出してから、後半を書こうと思います。

 

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国際誌への投稿と査読結果からプレプリント - 卒論の続き

気づけば11月半ばですね。卒論・修論の提出が本格的に迫ってきましたね。私も修論を書いており、現在イントロと方法を書いています。実験はいろいろとトラブルがあり、少し止まっているので、ハラハラしています。オンライン実験を計画しています。ウェブ調査会社のアンケート画面から実験用のURLに進み、実験プログラムをダウンロードしてもらい、実験を行い、またアンケート画面に戻り手続きをするようにしています。①新しい実験ソフトウェアでのプログラミング、②ウェブ調査会社とのやりとり、③実験ソフトのライセンスが切れる、とトラブルが続き、時間がかかってしまっています。

 

この研究は、イントロと方法、予備実験のデータをまとめて、レジレポする予定です。修論では、このレジレポに肉付けしようと思っています。プレレジとレジレポは、今後、心理学を志す学生さんは、調べておくとよいです。簡単に言うと、プレレジは、研究のイントロと方法を事前に登録することです。私も一つ行っています (https://osf.io/dgy3v)。レジレポは、このプレレジ (+ 予備実験データ) を雑誌投稿して、査読することです。データを見てから、イントロや仮説を変えるということができないように、事前に登録するものです。

 

私主体でやっている研究は、2つで、一つはプレレジ、一つはレジレポ予定、で行っています。卒論でやった研究は、プレプリント (https://doi.org/10.31234/osf.io/85b36) と来年の国際学会発表 (BCCCD21) します。なので、3つの研究に関して、いろいろ作業しています。まだまだ、少ないですが、少しずつ同時並行で、できるようにがんばっています。

 

卒論の話の続きをします。学部4年生の1月に卒論を提出してから、2,3月で英語に直しました。卒論などの学位論文は、雑誌論文と違って、イントロや結果、考察で多めに書くことが多いです。雑誌論文は、必要最低限のものだけを書きますが、学位論文は、研究や勉強の成果を書きますので、その分が多いです。私の卒論は、日本語で2万字、英語でもそのくらいだったと思います。それを、英語で4000 ~ 4500 wordsにするという、最初のミッションがありました。私の実験は、人形劇をしていて、条件も複数あり、詳細を方法に詳しく書く必要がありました。また、いろいろ盛り込んだ部分があり、論理的に繋がらない部分を抜きました。

 

先輩や先生に直してもらいながら、4~7月で書き、初めての雑誌投稿をしました。そして、二日後に、"エディターキック" デビューをしました。エディターキックとは、論文がレビュワーに回ることなく、編集担当者 (エディター) によって拒否されることです。2つ目の雑誌に投稿したときは、半日でキックでした。めっちゃ早くてびっくりでした。その後、1週間キックがあり、4つ目で、7か月のレビューの末、修正後投稿がありました。修正して、英文校正をして再投稿しましたが、拒否になりました。これは、少しショックでした。その後、一週間でレヴューが来て、拒否、その次は、倫理規定の関係 (倫理審査を通せなかったから) で拒否でした。一年半で、計6回拒否をされて、もう出せるところがないし、せっかく英語で書いたし、アイデアは面白いと思うし、日本語にして紀要論文に出す気もないし、少しでも多くの人に読んでもらえる方法として、アーカイブプレプリントとして残すという決断に至りました。プレプリントの正しい使い方ではないかもしれませんが、やった研究を何かしらのものとして世に出すことは大切だと思っています。

 

ちなみに、査読結果については、①受理、②小規模修正、③大規模修正、④掲載拒否があります。査読者も2~3名が多いと思います。もし、学部生などで、査読に関して詳しく知りたい方は、「論文投稿」とか、「査読」などで調べてみると良いです。あとは、身近な先生や大学院生に聞いてみてください。そして、愚痴を聞いてあげてください。

 

そういう経緯があり、卒論は、英語でプレプリントとして、PsyArXivにアーカイブしました。そして、卒論研究でも、研究者を目指す方や大学院に進学する方は、できる限り、倫理審査を通したほうが良いと言っているのは、こういう経緯があったからです。日本語の紀要論文だったら、倫理通ってなくてもいいところもあると言われましたが、倫理を通すことは、研究の質を担保する最低限の基準です。そして、倫理審査委員会がない大学や研究科もあると思います。研究を志す学生のためにも、ぜひ設置してほしいです。

 

私もめげずに、研究を続けていこうと思っています。学振DC1は、落ちてしまいましたが、来年のための研究助成金を2つ申請しました。今年度中にも、今やっている研究の論文を投稿しようと思っています。また、落ちるかもしれませんが、私の研究はとても面白いし、応援してくれている人もいるので、頑張りたいところです。2月に博士課程の大学院入試を受けます。

 

なにかあれば。

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卒論執筆について

先日,学振という,来年度から2~3年ほど生活費と研究費をもらえる研究員の審査結果が出ました。私は,学振DC1に応募していました。DC1は,博士課程3年間の研究員制度で,修士2年の5月に申請書を提出して,9-10月に結果がでます。私の研究計画は,残念ながら不採用となりました。研究者は,研究費獲得のために申請書を書き,研究をして,論文を書きます。しかし,申請書のためには,業績 (論文) が必要です。つまり,ループになっています。査読つき国際誌1本目の論文,研究者誰もが通過するものですが,大学院生にとっては,一つの乗り越えるべき大きな壁でしょう。

 

今回からは,卒論~プレプリントまでの流れを書きます。まず,①卒論執筆について書きます。次に,②国際誌への投稿と査読結果 (拒否) について書きます。次に,③査読結果 (要修正) と修正,再投稿について書きます。最後に,④プレプリントの公開について書きます。

 

まずは,①卒論執筆についてです。私は,心理学部や学科ではなく,国際教養学の発達心理学ゼミで卒論を書きました。3年前期の段階では,意思決定論で1万字ゼミレポートを書いていて,意思決定のモデルなどをやりたいと思っていました。思い返すと,当時は,認知心理学を専門にしたいと思っていました。一年留学をして,3年後期からゼミに復帰してからは,せっかく発達心理学ゼミだし,道徳性発達の先生だから,子どもの道徳性の発達で卒論書こうかなと決めました。ピアジェやコールバーグの認知的アプローチやウィゴツキーやチュリエルなどの文化・社会的アプローチなどをまとめていました。大学院進学を決めていたので,発達心理学を中心に,心理学の勉強を少しずつ始めていきました。道徳性の発達を調べていると,子どもは○○をどのくらい悪いと判断するのかといった「理解」研究と子どもは○○の状況でどのように振舞うのかといった「行動」研究があることがわかります。

 

道徳性の発達に関係する論文や日本語の本は,手に入るものは一通り調べました。当該分野の勉強はいくらでもできますが,「研究テーマ」を決めることはとても難しいです。勉強していて損はないと思って,発達心理学のビックトピックである「心の理論」と「実行機能」も勉強していました。研究テーマを考えている中で一冊おもしろい本に出合います。神戸大の林先生の『子どもの社会的な心の発達:コミュニケーションのめばえと深まり』1です。その中で,「子どもの嘘の発達」について書かれていました。すごくおもしろかったです。さらに,心の理論と実行機能とも重要な関係があると。自分の子どもの時の経験にもリンクしている。同じ時期に,某学会で,すてきな方だなあって思った人が,子どもの嘘に関する研究を発表していました。決断の時でしたね。そんなことがあって,「子どもの嘘の発達」を卒論テーマに決めました。もちろん,指導教員やゼミ生には,林先生の本のことしか話していません。

 

子どもの嘘に関しては,トロント大学のLee先生がたくさん出しています。大学院受験時の研究室訪問の際に知ったのですが,現在の指導教員とLee先生は知り合いだったので,少し運命を感じました (笑)。3年後期は,子どもの道徳性・嘘研究調べ,心理学の勉強,あとは療育施設で発達支援サポートのアルバイトをしていました。月・火・水は,勉強と研究,木・金・(土)・日は,アルバイト (7時間~8時間) と空き時間に勉強をしていました。

 

4年生 (5年目) の4~8月は,アルバイトと大学院受験準備を優先していました。京大の出願書類には,研究報告書があります。A4で5ページ,卒論の進捗状況を書きます。ここで,卒論の実験デザインを練りました。研究者を目指すのなら,卒論を1本目のジャーナル論文にできるレベルで書かないといけない。相関では弱い。実験を考えなさい。要因計画を考えなさい。大学院生受験するなら,テーマを与えられたらすぐに研究計画を考えられるようにならないといけない。最初は,嘘課題と心の理論課題,実行機能課題の成績の相関を見ようとしていました。なにがだめなのか?課題をやってるから実験じゃないのか?といろいろ考えていました。やっと,大学院受験書類を提出する直前に,言葉の意味がわかりました。データを取って事後的にそれらの関係を見る相関研究ではなくて,仮説をもとに,要因計画を考え,こちらで条件設定をする実験研究をした方が良いということだったんだと。

 

こういう研究あるよ。と2つ日本語の紀要論文でしたが,紹介してくれました。書類提出1週間前です。私は,「敵と仲間が同時に存在している際に,子どもは敵を欺くことができるか」についての嘘課題に子どもは何歳からできるようになるかを調べようと思っていました。林先生の研究(2)から,6歳では難しいことがわかっています。じゃあ,年齢幅を広げて,①5-6歳,②7-8歳,③成人,で比較しよう。それだけでは弱いか。。。どうしたら。。。と悩んでいるところに,上記2つの研究がヒントになりました。幼児・児童では,他者利益よりも自己利益のための嘘課題で正答率が高いという研究(3)と幼児では,年齢が上がるにつれて,答えない・拒否が減り,嘘をつくようになるという研究(4)です。そうか,条件として,自己利益か他者利益かで分ければいいし,欺き方を分類できる。これに,二次の心の理論との関係を見たらおもしろいし,新しい研究になる!とギリギリで先生に伝え,いいね!となりました。

 

4年前期は,学生が就活のため,ゼミはあり〇〇〇。メールや個別相談をしながら,研究を進めました。院試が終わった9月末に,急いで嘘課題を作りました。メルカリでパペットを3種類買って,大学の空き教室で,後輩に動画を撮ってもらい,動画編集ソフトで,修正して声を入れました。その後,二次の心の理論課題を作りました。地元の学童保育と保育園にアポ取りして,保育園は直前過ぎて断られ (ハイキングがありました),学童のみでデータをとれることになりました。ですので,①幼児データはなくなりました。10月は,学童保育に通い,一緒におやつを食べて,宿題を見てあげて,ドッチボールをしていました。空き時間に1日4人ずつくらい,2つの学童に通いながら,10日くらいかけて,小学生1,2年生34名のデータを取りました。ついでに,将棋やりたい子がいたので,将棋のやり方を教えていました。成人のデータは,10月後半~11月前半で,大学内をパペット持ちながら,暇そうな大学生に声をかけてやってもらったり,知り合いの伝手で集めたりしました。大学生は37名データを取りました。

 

卒論は,イントロと方法,結果のフォーマットは,大学院受験用の研究計画・報告書の文章を軸に10月中に書きました。結果とアブストは11月中に書きました。これからは,効果量と95%信頼区間も必要だと本や学会で聞いたので,それらを調べながら計算して論文に書きました。検定力がわからなくて,卒論には書けませんでした。12月中に考察を書き,ゼミ生どうしで,誤字脱字,文献の書き方を確認し読み合いました。クリスマスぐらいに,指導教員にチェックしてもらい,1月の頭に,大学に提出しました。ゼミ生で一緒に提出しようってなり,なぜか,1日目にギリギリ滑りこみで提出しました。地味に,あの黒い表裏紙に挟んで,シール貼って,卒論完成させるのが時間かかります。ひもの通し方もよくわからないです。卒論を提出する際には,余裕持ちましょう。あと,プリンターは壊れます。パソコンフリーズして,強制終了して,最新データ消えます。気をつけましょう。

 

卒論執筆に関して,いきなり書き始めるのではなく,しっかりと骨組みを考えましょう。つまり,イントロも①大きな問題や社会問題,一般的な内容,②卒論のテーマ,③先行研究,④先行研究の問題点,⑤本研究の目的,⑥仮説,など,考察も,①結果の要約,②仮説の支持不支持,③それぞれの仮説の考察 (先行研究との一致,なぜこの結果になったのか,など),④全体の考察,⑤本研究の限界と展望 (批判点や見なかった点,など),⑥サマリー,などです。APAスタイルや,日本心理学会のものに従って書くのが多いと思います。指導教員に確認しましょう。心理学の論文には,書き方のルールがあります。特に,統計値や引用に関して。倫理審査あるなら通しましょう!最近は,倫理通ってない研究は,ジャーナルに受理されません。

 

私の卒論に関しては,プレプリントとして公開しました (https://psyarxiv.com/85b36/)。7,8歳児は,敵と仲間が同時に存在する葛藤場面では,他者利益のためには,チャンスレベル,自己利益のためには,チャンスレベルを超えて敵を欺くことができました。また,これらの欺きの正答率と二次の心の理論には関係は見られませんでした。しかし,他者利益課題の際に,二次の心の理論課題に正答した子どもは,嘘をつくのではなく,教えなかったり,教えることを拒否したいする方法を選びました。

 

卒論執筆の参考にした本

『心理学論文の書き方―おいしい論文のレシピ』|感想・レビュー - 読書メーター

『心理学論文道場―基礎から始める英語論文執筆』|感想・レビュー - 読書メーター

『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』|感想・レビュー - 読書メーター

『APA論文作成マニュアル 第2版』|感想・レビュー - 読書メーター

-> 日本語版だと,第6版,英語版だと,第7版が最新です。絶対に最新を参考にしましょう。

執筆・投稿の手びき | 日本心理学会

 

研究計画の参考にした本

『他者とかかわる心の発達心理学: 子どもの社会性はどのように育つか』|感想・レビュー - 読書メーター

『なるほど! 心理学研究法』|感想・レビュー - 読書メーター

『心理学マニュアル 要因計画法』|感想・レビュー - 読書メーター

 

統計分析の参考にした本

『伝えるための心理統計: 効果量・信頼区間・検定力』|感想・レビュー - 読書メーター

『心理統計学の基礎―統合的理解のために』|感想・レビュー - 読書メーター

『続・心理統計学の基礎--統合的理解を広げ深める』|感想・レビュー - 読書メーター

『教育・心理・言語系研究のためのデータ分析 研究の幅を広げる統計手法』|感想・レビュー - 読書メーター

『Rによる心理データ解析』|感想・レビュー - 読書メーター

 

文献

(1) 林創 (2016). 子どもの社会的な心の発達―コミュニケ-ションのめばえと深まり. 金子書房

『子どもの社会的な心の発達: コミュニケーションのめばえと深まり』|感想・レビュー - 読書メーター

(2) Hayashi, H. (2017). Young children’s difficulty with deception in a conflict situation. International Journal of Behavioral Development, 41, 175-184.

(3) 南島彩乃・藤野博・松井智子・東條吉邦・計野浩一郎 (2016). 定   型発達児とASD児における欺きと心の理論―自分のための嘘と他人のための嘘―. 東京学芸大学紀要:総合教育科学系Ⅱ, 67, 235-242.

(4) Kikuno, H., & Kikuno, Y. (2015). Can Young Children Help Others by Deception? Active and Passive Deception. 環境と経営, 21, 119-125.

 

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院試勉強法,面接について

【面接・二次試験】

私は,大学院の面接を2校受けているので,それらについて思い出して書こうと思います。なんとなく,今回はイニシャルトークで,KB大学とKT大学として話を進めていきます。服装は,スーツが無難でしょう。

 KB大学は,20分くらいの面接だったと思います。面接官は,3名でおそらく臨床の先生が2名,発達の先生が1名だったと思います (質問の内容と研究紹介の反応から)。志望した先生が面接官にいなかったのは,驚きでした。まずは,何か話して?的な感じだったので,卒論から研究計画への流れを話しました。その後,研究計画に関する質問が3人の先生からありました。専門的な話ですが,私が出したテーマは,「子どものうそ」に関することで,その主な二大要因としては,「心の理論」と「実行機能」があります。KB大学の研究計画書は,「心の理論」をメインで書いたので,そこをおしつつ,発達の先生から,「実行機能」との関係はどうなの?と待っていた質問が来たので,補足としてそちらからの説明も行いました。私の研究をおもしろがって聞いてくれていたので,面接は研究発表のような,試されるというよりは,研究に関して質疑応答をしながら議論できた感じでした。最後に,評価に関係ないが,他の大学院も受けているかを聞かれたので,「はい。」とだけ答えました。現実的に,よっぽど自信があるか,覚悟があるかじゃないと,1校だけを受けないですよね。複数校を受け得ることは,大学側もある程度了承しているのではないでしょうか。変に嘘をつくくらいなら,正直に言ってもいいと思います。

 KT大学は,30分きっちりの面接でした。面接官は3名で,コースの先生が2名,テーマに近いコース外の先生が1名でした。進行役は,志望した先生で,どんな研究がしたいかや本研究のオリジナルなど,広く質問されました。もう一人のコースの先生は,研究内容に関してクリティカルに質問された感じでした。そういう役割分担をしているのだと思います。子どもの嘘の発達を検討するために,脳活動を見る必要があるの?嘘と欺きの違いをしっかりと定義する必要があると思うけどどうなの?が覚えている,おーいい質問するなあって思ったものです。コース外の先生は,社会学が専門の先生でした。一番私の研究から離れている先生だったので,この先生が理解できることを意識しながら研究を説明しました。なかなかおもしろいコメントや質問をしていただいたので,あまり緊張しませんでした。30分あっという間だった感じです。さすが,KT大学,他を受けたかどうかは,質問されませんでしたね。

 私は,学部時代にあまり,研究に関して議論する機会がなかったので,自分の研究に対して専門家からコメントやフィードバックがもらえたり,研究の議論ができたりするのが,実は楽しみだったので,面接はあまり緊張しませんでした。院試は,筆記試験勝負で,面接は,自分がどれだけ研究計画を考え抜いたかを示す場だと思っています。自分の研究のオリジナルな点,意義,おもしろさだけでなく,限界や周辺の知識も調べておくことで,だいたい質問されることはわかりますし,自分なりの答えはできます。わからないことは,すなおにわからないと答えてもいいと思います。逆に意見を言って,一緒に考えちゃえばいいんじゃないかと思っています。思考停止で終えることが一番良くないのではないでしょうか。

 その他,いろいろ細かいエピソードはありますが,今回はここまでにします。私はあまり,重要な面接の経験はないので,参考にならないかもしれませんが,面接官と私たちは,対等であるという認識でいいと思います。おっいい質問ですね!と私は思はず言ってしまいました。面接官の質問によって,自分があえて言わなかったことを引き出してもらうと気分がいいですし,考えてもいなかったことを質問されたら,研究が進むチャンスかもしれません。でも,たぶんこう言えるのは,私の面接官がいじわるではなかったからかもしれません。世の中には,いじわるな面接官もいて,とても悲しい思いをする (した) ことがある人がいるかもしれません。

 そう考えると,院試は運の要素も (大きく) あるのかもしれませんね。

 

 対策についてですが,研究計画についてしっかりと把握しておく。5分くらいで完結に説明できるようにしておく。意義やおもしろさを説明できて,限界とそれを超えるためのアイデアなどがあると良いでしょう。話が上手なことよりも,話の要点をしっかりと伝えることがとても大切です。大学の先生方だって,みんながみんな,話し上手なわけではないですよね。難しい質問でも,考えてみて自分なりに意見を言えるようにする。コミュ力にみなさん焦点を当てがちですが,その場しのぎの空っぽな応答はばれます。しっかりと準備をして臨む。友だちや先輩に面接官役をしてもらって,惨めでもダメ出しをしてもらうことが必要でしょう。

 

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院試勉強法,英語について

 大学院受験をしている大学生の話を聞いたり,ツイッターを見たりしていますが,オンラインでの試験はやりにくいようですね。臨床心理学の大学院を受ける受験生が多いですね。実験心理学発達心理学での進学は,内部が多いのでしょうか。就職のリスクが先に言われる世の中ですが,勉強したい・研究したいという気持ちを優先できるようになると良いのにと思います。最近だと,教師や保育士の方々も修士課程を経て現場に行く方も増えてきましたね。修士のハードル (就職難や心理的な壁) は,下がってきているのかな?と思ったりもしています。さて,今回は,【英語勉強法】について書きます。

 

 

【英語勉強法】

第一に,心理系の大学院生の生活には,英語は必須でしょう。英語が嫌なら,よっぽど,日本語で最後までやるんだ!という覚悟を持って,日本独特の現象を日本人を対象に行う必要がありそうです。実験系で研究を続けようと思っているなら,読み書き話しが必須です。私の研究室では,基本的に英語で論文を書きます。修論も英語で書きます。国際誌に論文を投稿していくことが大学院生にも当たり前になってきています。私は最近,海外の研究MTGに混ぜてもらいながら,英語を使うタイミングをうかがっています (何人かで議論しているところに,英語で入っていくのをまだ,躊躇してしまいます)。そのうち,発表させてもらえそうなので,少しずつ準備をしています。このように,英語がある程度できないと,そもそも研究活動が難しいと思います。もちろん,科学技術が克服してくれるかもしれませんが。

[追記10/31 国内で臨床心理士になる方や修士課程だけを考えるなら,英語におびえることはないかもしれません。煽ってすいません。博士課程へ進み研究を続けようと思っているなら,英語は必須だと思います。]

 受験勉強に関してですが,専門と同様,大学院ごとに問題の傾向が違います。①民間英語テスト,②総合問題,③和訳のみ,という感じでしょうか。他にもあるかもしれませんが。私が受けた,神戸大は,①と,専門の一部に②がありました。京大は,③でした。

①民間英語テストに関しては,民間テストの点数表から一律に換算するのだと思います。TOEIC 〇〇点は,TOEFL ○○点と同じというものがあって,それを5段階 (A,B,C,D,E)とか,数値 (100 ~ 0)にするのではないでしょうか。基準点はわかりませんが,大学生の平均あたりが,50 ~ 60点くらいだと思っています。私は,一斉受験のTOEFL ITPしか受けたことがありません。私の大学での卒業要件が,TOEFL ITPの500点,TOEIC 600点だったので,これが,60 ~ 70 / 100点くらいと見積もりました。520は最低必要で,550点取れたら良いかなと,3回受けました。4月,5月,6月で,520 -> 527 -> 530という感じで,530点で提出しました。このテストは,一回5000円くらいです。受験校が,このような方式なら,学部3年生以前のうちから対策ができるので,目標点をとってしまいましょう。

 ほとんどの大学では,③和訳が英語のテストとしてあるのではないでしょうか。京大は,本や論文の一節,まるまる和訳というものでした。英語の採点に関しては公平のために,外部機関に委託をすることもあります。そのため,研究科で統一の問題を解くことになるかもしれません。京大教育の場合,専門は各自のコースの問題でしたが,英語は,教育研究科で統一のものでした。そのため,ばりばり実験心理学の人が,教育方法に関する英語に当たる年もあります。おそらく,バランスをとるために,複数の英文を選んでいると思います。

 大学受験と同じように,よっぽど英語に自信があるのではないなら,「直訳」が良いです。SVOC, SVOOにしたがって,きっちり訳していきましょう。こうすることで,語彙と文構造の共倒れは避けられます。やっぱり,すべての専門用語を覚えることはできませんから。私は,すごくショックなミスをしたのを今でも覚えています。”scaffolding”を「足場つくり」と訳すところ,「排斥」という,まったく違う意味として書いてしまいました。今では,当たり前に知っている用語ですし,当時も日本語では知っていたはずです。訳していて,ポジティブな文脈なのに,なぜ,「排斥」なんだ?でも,なんかつづりが,排斥っぽいし,時間もないから,これで行きました笑 院試には魔物が潜んでいるのかもしれませんね。ちょっとくらい間違っても,言いたいことはわかってるし,他の部分はしっかりと訳したからいいかなっと思っていました。

 勉強法ですが,①英単語 (一般のもの,心理学大学院)例文和訳,②論文アブスト&イントロ和訳,(③TOEFL ITPの対策本) を行いました。普段から,卒論や研究計画に使う英語論文は読んでいることは,当たり前のことですよね (ちょっと厳しめに言っています)。

 ①に関しては,大学入試ぐらいのもの (大学入試に使って家にあった『キクタン【basic】4000』)と心理学大学院用のもの (山崎有紀子『心理院単』)を使っていました。じっくり覚えようとしても時間がもったいないので,視覚ワーキングメモリを利用して,パッパッパッと繰り返し目の前に提示しました。ある程度覚えたかなと思ったら,心理院単の右ページ?をすべて和訳して自分で採点をしました。一文ずつなので,1文1分くらいでしょうか,20問まとめて,20分くらいでやっていました。今手元にないのですが,確か,心理学分野ごとに分かれていたかと思います。慣れてきたら,頭の中で和訳して,答えを見ながら確認していました。キクタンはまあ,暇なときに見る感じでしょうか。意外と日常単語や動詞を忘れることがあるので,気をつけましょう。

 ①がある程度できるようになったら,少し長い文を和訳する練習していくのが,良いでしょう。よく『ヒルガード』を和訳するのが良いと言われます。英語版と日本語版があるので,便利ですね。私は,「生物心理学」と「発達心理学」だけ訳しました。長くて疲れるので,自分の専門だけで良い気がします。要約だけ訳すのも良いですね。その後は,自分が卒論と研究計画に使っている論文のアブストとイントロを和訳しました。その論文の理解が深まるし,専門の勉強になるし,論文構成の参考になるし,英文和訳の勉強になるし,一石四鳥だと思います。たぶん10本くらい訳しました。そのくらいで十分かと思います。論文の英語は,基本的に構造はわかりやすく書かれているはずです (はずです) から,良い勉強材料になりますね。

 あとは,英語で答える問題があるかもしれません。内容要約するための語彙は準備しておきましょう。examine, investigate, show, suggest, aim, hypothesis, participant, などでしょうか。

 

 連続で院試を受けている方もいますね。すぐに切り替えられないこともあります。それだけ,一生懸命準備してきたのですから。頑張り切れなかったことを後悔している方もいるかもしれませんね。どうか最後まであきらめずに。応援しています。心理学を勉強している仲間がいるというだけで私はうれしいです。

 

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院試勉強法,専門問題について

 鴨川を横目に大学に自転車で通っているのですが,子どもたちが水遊びをしていてとても楽しそうです。私は,田舎出身なので,友だちと遊びに行くところは,山と川ぐらいだったので,なつかしいなあと思います。野鳥探索もしました。「オオルリ」というきれいな青い鳥が地元の山にいるのですが,双眼鏡で見つけたときは,その美しさに心を撃ち抜かれましたね。当時は,大学に行ったり,まして,大学院に行ったりするなんて思ってもみなかったです。水切りのプロを目指していました。

 今回は,院試の勉強法について,書こうと思います。ツイッターなどで,大学院受験生の方の勉強つぶやきを見ていると,よく勉強をしていてすごいなあと思います。私が何かを書く必要なんかないし,むしろ私がいろいろ教えてもらった方が良いかもしれません。私も冬に,博士課程入試を受けなくてはいけないので。もし,気分転換や参考程度に読んでいただけたら良いです。私が重要だと思うのは,どんなことが聞かれようとも自分の回答のテンプレを作っておくことです。合格基準としては,先輩と話している際には,だいたい7割できればいいかもしれないし,競合相手がいないなら,6割でも受かるかもしれないって感じかなと思います。しかし,受験者が多ければ,合格点順になるでしょう。

 

【院試の勉強法】

①専門,②英語,③面接,について書きます。①専門は,語彙説明,内容要約,研究計画,統計についての勉強法を紹介します。まず,一番初めにやることは,過去問研究でしょう。志望大学の過去問を見て,どのような問題がでるのかを把握しましょう。

 語彙説明は,3~5つの「専門用語を説明せよ」というものがほとんどではないでしょうか。そこで気になるのが,どこまで詳しく書けばよいかと文字数です。一番正しいのは,回答用紙を手に入れて,そこから逆算するです。しかし,それはなかなかできないですよね。私が実際に受けた感覚だと,B5ノートの半分がMAXくらいかなと思っています。書く内容も自分なりのテンプレを作っておくと良いでしょう。特に,私は発達が専門なので,①定義,②わかっていること (いつ,どのように発達するかなど),(③他の概念との関係),などを書くようにしていました。必要なことが書いてあれば,別にたくさん書く必要なないです。

 さて,どんな語彙が出てくるのでしょうか。過去問のワードをすべて説明できるようになるのは,当たり前ですが,次に何がでるかを予測しないといけませんね。私は,本番の語彙説明では5/6,予想が当たった (事前に答えを準備していた) ので,しっかりと答えることができました。まず,入門書レベルの語彙は必須でしょう。索引に出てくる語彙は,ノートにまとめるか,コピーをとって何回も確認するようにしましょう。私は,大学生の時から,勉強になりそうな本を読んだときは,索引のワードをメモして覚えるようにしていました。完璧な説明ができるようになるには,なんとなくわかる段階が間に必要だと思います。次に,受験するコースや講座の先生の本の目次や索引からキーワードを確認しましょう。次に,最近出された論文のキーワードを確認しましょう。私は,該当の先生方の最新論文5報ずつまで確認しました。

 私は,昔からノートにまとめることができないので,ノートはあまり書いていません。入門書や辞典,論文の定義などをコピペして,覚えれば大丈夫でしょう。入試が近づいてきたら,予想問題を作成して,自分で問いて,自分で採点をしていました。過去問から,だいたいそれが何点くらいかを推定して,そこから部分点を推定しました。5点だったら,2点は①定義,2点は②わかっていること,1点は③他の概念との関係,などです。時間を測って,一問だいたい,10~15分で書いてみて,その後採点して,調べながら完璧な答えを作る。その作った答え集をノートとして直前は読み込みました。

 内容要約も自分のテンプレを作りましょう。まあ,シンプルに,①やったこと,②目的と仮説,③方法,④結果,⑤考察,という論文のアブストのフォーマットにあてはめながら,論文を読んでまとめればよいです。ちなみに,大体の論文は,考察の最後にも,サマリーとして要約を書いているので,そこも参考に勉強しましょう。普段の勉強の時から意識して,まとめるようにしておくと良いです。

 研究計画もテンプレです。研究法ごとに,自分なりの研究を考えておきましょう。調査法や観察法,実験法ごとに参考になりそうな論文を見つけておいて,それらをちゃんと理解しておく。本番では,与えられたテーマの変数を入れ替えればオーケーです。私は,「道徳性の発達に関する研究計画を書きなさい」に対して,自分が知っていた嘘の研究を利用しました。シンプルに,従属変数については,嘘の善悪の判断を道徳的行動の評価と言い換えればいいし,独立変数には,意図や結果などを操作すれば良いです。似た研究を知っている場合は,もっと答えやすくなりますよね。私は,指導教員に大学院進学を相談した際に,「テーマを言われてら一瞬で研究計画を考えられないとだめ」と最初に言われました。これは修業が必要ですが,一度こつがつかめると,簡単に思いつくことができます。

 統計は,過去問を見て,どういう対策をするかを考えましょう。基礎的な計算はできるようにしておきましょう。分散や標準偏差,標準化,相関係数有意水準の表の見方,等,統計用語の説明とどういう場面で使うのかを説明できるようにしておきましょう。t検定,分散分析,χ二乗分析,重回帰分析,相関,因子分析などは,よく使うので,最低限調べておいた方が良いかもしれません。 

 ②英語と③面接は,次の機会に書きます。

 

 心と体に気をつけて,無理はしないようにしつつ,悔いの残らないようにがんばってください。それが一番難しいのですが。大学院生活は院試の忙しさが続くので,慣れておきましょう!もちろん,プレッシャーからは解放されるから,比較的楽しんで (?) 研究を続けられますよ。まずは,夏・秋入試がんばりましょう!応援しています。

 

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入学前に確認した方が良いこと,卒論で気をつけた方が良いこと,倫理審査について

 最近は,英語での執筆 (修論・レジレポ) と日本語での執筆 (ブログ) を習慣にしようと思って頑張っています。ポスター発表用のポスターや実験用コード修正,いろいろな申請書の作成に追われているのですが,情報を共有することは,昔から好きです。今回は,【入学前 (受験時に) に確認した方が良いこと】,【卒論で気をつけた方が良いこと】,【倫理審査】について書きました。

 

【入学前 (受験時に) に確認した方が良いこと】

 ①指導教員の移動,②大学院生の仕事量,に関しては,研究室に入ってから,こんなはずじゃ。。。となることもあるので,必ず確認をしましょう。まず,①指導教員の移動についてです。人事の問題は,私にはよくわかりませんが,指導教員が移動してしまうことは,少なくないです。学生は,その大学院の研究科に所属しているため,簡単に先生についていくことができません。方法としては,1) 現在の研究科内の別の研究室に移る。2) 新しい大学院研究科を受けなおす,3) 現在の研究科内の別の研究室に籍を置きながら,新しい研究科で研究をする (指導委託) があると思います。

 私は,そういう運命なのかもしれませんが,学部の指導教員が卒論提出年度に,サバティカルで海外に一年行ってしまいました。結果的には,私も一年留学をしたので,指導をしてもらいました。その一年,同期の学生は,代理の先生が卒論指導をしていました。今年,その先生も他大学に移動したようで,後輩たちが心配です。大学院進学後も,M2の四月から,指導教員が移動をしてしまったので,私は,上記の方法 3) の状態です。そのため,紙面上の指導教員と現実的な指導教員は異なっています。ちょっと,研究をする上では,やっかいですが,両方の先生からよくしていただいています。

 こういう状況は,研究をする上では,余計なストレスで,避けた方が良いと思います。特に,修士は2年間なので,先生が1年いないのは大きいですよね。指導教員の定年などもあると思いますので,研究室訪問の際には,必ず移動の可能性を聞きましょう。

 ②大学院生の仕事量に関してです。研究室や指導教員の仕事量によっては,学生がそれを手伝うことになるかもしれません。例えば,実験参加者の登録制度がある場合には,新規の登録の手続き,問い合わせの電話対応,登録制度の維持やホームページの作成などの仕事があります。業者や秘書さんが担うことがほとんどだと思いますが、院生が手伝うこともあるかもしれません。指導教員の講演に付き添って,動画を撮ったり,会場の運営をしたりすることもあります。研究活動以外の仕事でいっぱいいっぱいになって,自分の研究に使う時間がなくなってしまうかもしれません。研究室の研究費や運営費の関係で,無給での仕事もあるかもしれません。こういうところは,先生に聞きにくいと思いますので,大学院生に聞くと良いです。

 上記の2点は,先生に悪気があって起こることではないですが,学生側も自分の研究生活が懸かってきますので,しっかりと確認しましょう。

 

 【卒論で気をつけた方が良いこと】

 大学院に進学して,特に国内で研究を続けていこうと思っている方は,学振DCというものを目指す方が多いです。ざっくり言うと,博士課程の期間 (上限3年),生活費月20万円と研究費年150万円以内 (以内がポイントです) が2~3年程度もらえる制度です。修士2年の5-6月にその申請書を提出するのですが,「研究遂行能力」の欄に,研究業績を書くことになります。これは,研究発表や論文について書きます。博士課程進学を考えている学部生には,卒論をジャーナル論文として投稿できるレベルを目標とすることをおすすめします。一つ目の論文業績になるからです。

 研究論文を書いて,受理されるのは,とても時間がかかります。卒論を書く段階でもかなり苦労をしているのではないでしょうか?修士1年の間に,論文を完成させて,どこかのジャーナルに投稿・受理がM2の5月までに間に合えば,研究業績として書くことができます。必須ではないですが,少なくとも論文が受理されるまでの流れと努力を経験しているアピールにはなります。論文を持っているからといって,学振に通るというわけではないので注意してください。

 

【倫理審査】

 研究をする際には,「倫理」が大切です。その研究が倫理的に認められている (参加者に害はないか?研究する意義はあるか?結果が果たす役割は何か?等) ことをしっかりと考えましょう。研究者には当たり前なことですが,大学生が知らないことに,「倫理審査」というものがあります。これは,これからやる研究が倫理的に大丈夫であることをチェックする制度です。ここで,OKがもらえないとその研究をしていけません。そして,このOK承認がないと,現在ではほとんどのジャーナルでは,論文を受けつけてもらえません。

 上記で書いたように,卒論をジャーナル論文として投稿することを目標にするのであれば,当然この「倫理審査」を通らなくてはいけません。後からこれを知っても遅いこともあります。私は当時,このことを知らなくて,現在論文を投稿するためにいろいろと苦戦しています。大学院に進学を希望している方は,卒論研究の際に,指導教員に倫理審査に関して,必ず確認をしましょう。卒論レベルでは,いらないと言われるかもしれませんが,投稿論文として将来出したいことをしっかりと伝えましょう。卒論は,名刺代わりだし,デヴュー作です。修士1年の間は,これを研究発表することが多いでしょう。

 

 私は,卒論を日本語で提出しましたが,その後卒業までに,そのまま英語版を作成しました。そして,M1の7月に国際誌に投稿してから,連敗続きで今にいたります。結局,学振には間に合いませんでしたが,論文投稿や修正の中でいろいろなことを経験できました。修士1年の間は,卒論研究を学会や研究会で発表しました。卒論は,黒歴史だという方が多いですが,立派な研究デヴュー作です。大学院進学後の計画を考えていると思いますが,順調に進みたいのなら,卒論をしっかりと研究・執筆しましょう。

 

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研究計画書について

 先日,私が卒業した大学の3年生から,大学院へ進学したいからお話をしたいという連絡がありました。このようにブログを書いているのは,大学院入試や大学院生活に関して,何も情報がないなかで勉強をがんばっている方を少しでも応援したいと思ったからです。私自身も,当時わからなかったことばかりでしたし,失敗もありました。科学は人から人へと,引き継がれていくものです。上の世代が苦労したことを,次の世代が同じように苦労する必要はありません。積み上げられた情報や知識の上に新しいものを積み上げていくのです。私がわからなくて,困って,あきらめたことを同じように,今の方が繰り返す必要はないですし,余計に苦労しなくてもいいと思っています。少しでも,私の記事が,誰かの参考になれば幸いです。

 

【研究計画書】

 研究計画書は,大学院に進学してからの研究計画,つまり修論の計画を書きます。しかし,ほとんどの人が,大学院に進学してから,提出した研究計画書とは違う研究を行っています。私は,「子どもの知らないふりの発達」として研究計画書を提出しましたが,現在は,「幼児の視覚的意識の発達」というテーマで研究をしています。

 研究計画書は,あなたが何について興味があるかを示すものというよりは,「研究遂行能力」を測るものです。つまり,あるテーマに対して,①先行研究を調べ,②問題を見つけ,③仮説を立て,④研究方法を考える,までの流れができるかを試されています。それに加えて,どうしてこの研究室に進学を希望しているかを,研究計画と関連付けて説明する必要があります。ただ実際のところ,すごく特別なテーマではない限り,たいていの研究室に行っても研究ができるわけですが,「ここでしかこの研究はできないんだ!」という思考モードで書きましょう。よくあることですから,

 研究計画書の評価に関して,どの程度のクオリティーが必要でしょうか。まず,問題と目的の流れが論理的であることが大切です。指定の文字数に従って,そのテーマの概要・定義,先行研究の流れ,問題点 (まだわかっていないこと,先行研究同士の矛盾など),本研究で明らかにすること (目的),仮説の順でたいていは書くと思います。自分や誰かに読んでもらいながら,スムーズに読めるようになるまで推敲しましょう。

 次に方法です。問題と目的の中で,自分が設定した仮説を検討することができる方法を考えます。特に実験心理学方面を考えている方は,「要因計画法 (実験計画法)」を意識することが大切です。要因計画法とは,仮説検証研究の際に,従属変数と独立変数 (要因) を設定し,独立変数を操作することで,従属変数を比較するものです。例えば,学業成績と教授法の関係を検討することを目的とします。教授法Aよりも教授法Bのときに,学業成績は高い,を仮説とします。方法は,テスト成績 (従属変数) と教授法 (独立変数) を設定した際に,教授法Aの学業成績と教授法Bの学業成績を比較することになります。さらに,この実験では,同じ人が同じテストを受けることができませんよね。そのため,教授法Aと教授法Bは,それぞれ別の参加者が受けることになります。このように,参加者が異なる要因を,「参加者間要因」,朝と夜の体温など,個人差が大きく,同じ人が含まれる要因を,「参加者内要因」といいます。上記の教授法と学業成績は,一要因参加者間計画となります。例えば,ここに朝ご飯の影響みたいのを入れるとします。2 (朝ご飯:食べた・食べない) × 2 (教授法:A・B) の二要因参加者間計画となります。要因の操作をきちっとして,パラメトリックだったらANOVAでぽんっ,ノンパラだったらχ二乗でぽんっ,が一番シンプルでしょうか。

 研究計画書は,どこまで厳密に書くべきでしょうか。もちろん完璧で,すぐでも研究を始められるものが良いとは思います。でもだったら,今その大学でその研究をやってしまえばいいと思います。未知の要素はあってもしょうがないと思います。特に,分野を変える際には,なおさらです。勉強をしながら,その研究室の手法を取り入れたいというのも,柔軟性のアピールになるのではないでしょうか。中途半端な知ったかぶりはばれるので,正直に今はまだわからないが,今後取り入れたいと書いてもいいと思います。

 研究計画書を一から書くだけでも大変ですよね。卒論や院試の勉強をしながらですから。ギリギリで提出することになるかもしれないし,不本意なものを提出することになるかもしれません。締め切りまでに書けたら〇,論理的であれば◎,先行研究と要因計画がしっかりしていれば三重〇だと思います。出せたら〇です。研究計画書が書けなくて出願を諦める人も多いですから。研究計画書をちゃんと書いて,願書を出願できたこと自体が,相当な仕事で,よくがんばっていますよね。

 研究計画書は,必ずだれかに読んでもらいましょう。添削してもらえたら,なおよしです。私は,一度,学部の指導教員にチェックしてもらい,二回目もメールで送りましたが,出願には間に合いませんでした。先生方も忙しいです。一週間くらい余裕をもって添削をお願いしましょう。先生が見てくれない場合は,大学の同期や会社の同僚などでも良いので,論理的か,矛盾はないか,文章がおかしくないかをチェックしてもらいましょう。誰もがみな,協力的かどうかは保証できません。すごく面倒見が良い人もいれば,なんにもしてくれない人もいます。希望の研究室の先生や大学院生が添削をしてくれるかもしれません。私も昨年は,後輩二人の研究計画書を添削しました。確か,二回ずつ赤入れをしたと思います。どんどんよくなることがわかります。赤入れされるのは,正直へこむかもしれませんが,フィードバックされて,それを修正することで,格段に研究計画書は良くなります。文章を書くことに慣れていないなら,最低二回は,誰かにチェックしてもらいましょう。

 発達心理学に関する研究計画書なら,私も見ます。もし,見てくれる人がいなくて困っている場合は,ご連絡ください。私も少し忙しいので,すぐに返すことはできませんが,何かコメントをできたらと思います。

 私が当時参考にした文献です。

後藤宗理・大野木裕明・中澤潤 (2000). 心理学マニュアル 要因計画法. 北大路書房

清水由紀・林創 (2012). 他者とかかわる心の発達心理学. 金子書房.

坂本真士・大平英樹 (2013). 心理学論文道場ー基礎から始める英語論文執筆. 世界思想社

都筑学 (2006). 心理学論文の書き方ーおいしい論文のレシピ. 有斐閣

 

暑さとプレッシャーで,疲れやすくなっているかもしれません。

私も睡眠のリズムが崩れたり,締め切りやタスクに追われたりで,

ツイッターに逃げていることがあります。。。orz

どうか,心と体に気を付けて,勉強・研究がんばりましょう。

 

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研究室選び,研究計画書について

研究MTGがあって,その資料準備で早起きしたのに,ブログを書いています。今年度は,MTGやゼミの95%ぐらいは,ZOOMでした。現在,共同研究の海外の先生 (日本人の先生なので日本語) と指導教員で研究MTG (私の修論研究) をしています。

来年以降,学振や補助金などのお金があれば,共同研究者の先生のところに研究しに行きたいと思っています。成人の研究をしているラボですが,そこで,実験方法や技術などを修行しながら,それを子どもの研究に応用していきたいと考えています。

 

さて,記事を読んでいただいた方から,コメントをもらえたので,まずそれに答えます。

質問:なぜ京大と神大 (神戸大学) を受けたのか?

回答:まず,どちらともに発達心理学を専攻できる研究科・コースがあります。次に,私が卒業研究で行っていた「子どものうそ」研究に関して,指導可能な先生がいます。研究室訪問のメールをした際に,両研究室ともに,指導可能であるという返事がありました。神戸大学には,「心の理論」や「道徳性の発達」,「子どものうそ」を研究している先生がいますし,私の学部指導教員の知り合いでもありました。京大には,「実行機能」「NIRSを用いた脳発達」,子どものうそ研究の権威であるトロント大学のKang Lee先生と研究をしていた先生がいます。あと,関西に行ってみたかったのと,国立大学がいいかなという後付けの理由もあります。

とても悩みましたが,将来を考えると,私は行動指標だけでなく,神経指標も扱いたいと思い,脳発達やそれを計測する実験設備,技術のある研究室が良いと判断しました。また,大学院への進学を考えた時,研究テーマを変えようとも考え始めていました。当時の研究計画は,「子どもの知らないふりの発達」で書いていました。これは,卒論を発展させたものです。しかし,「意識」を研究してみたいという子どもの時からの思いがありました。研究室訪問の際に,「何に興味がある?」と聞かれた際に,私は,「道徳性」ではなく,「意識」と答えていました。

ちょうど,京大の先生が,意識の研究に関わっていたのもあり,京大に進学をしました。ですので,「意識」と「発達」,「脳」を組み合わせて研究できるベストな選択をしたと思っています。EEGほしいです。不思議なことに,その年の神戸大の院試では,「空想の友達」がテーマでしたし,京大の院試では,「道徳性の発達」がテーマでした。もちろん,ばっちり対策をしていました。

 

【研究計画書について】

大学院に進学するためには,①研究室訪問or入試説明会,②願書ゲット,③願書提出,④研究計画書提出,⑤一次試験,⑥二次試験,⑦合格発表,⑧進学先を決める,⑨大学院入学,⑩この先どうしようかな。。。

だいたい,上記の流れになると思います。今回は,④研究計画書について,書きます。研究計画書とは,ざっくりいうと,修論研究で何をしたいか,しようと思っているかを書くものです。大学によって,書式や文字数が違いますし,書くことを指定している大学やおおざっぱで何も指定しない大学もあります。また,研究計画に加えて,志望理由も書く場合があるので,公私を混ぜて書くことが必要かもしれません。

私が受けた神戸大学は,ざっくりなタイプでしたし,京大は,きっちり指定がありました。文字数の違いもありましたね。京大の指定に従って,全体的な研究計画書を作りました。そこから,文字数と内容を少し修正したものを神戸大の研究計画書としました。京大は,A4で5ページでしたが,神戸大は,A4で2-3ページくらいだったと思います。京大の場合は,研究報告書 (卒論) と研究計画書を5ページずつ提出するので,準備が大変でした。次の記事に続きを書きます。

 

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