フランス留学⑤2017年1月

テスト期間,バカンス,クリスマス,新年について述べたいと思います。天候は,くもりの日が多いですが,雨はほとんど降っていません。雪も降っていません。以下,①テスト,②バカンス期間(クリスマス・新年),について述べます。

 

テストは,授業によって授業期間の終わりにテストがある場合と,テスト期間にテストがある場合があります。授業期間は,11月中に終わり,12月と1月の前半がテスト期間です。テストの形式は,完全な論述形式で,テスト時間は,1時間,2時間,4時間,と様々です。留学生への特別措置として,口頭テストや特別なテスト(英語表記など)で対応してくれる授業もあります。また,基本的に持ち込みは不可となっています。私は,フランス語で他の学生と同じテストを受けました。完全な論述形式は,授業内容だけでなく,書き方についても準備することが必要であると思います。また,論述形式と長いテスト時間に慣れる必要があります。フランスでの大学入学に必要なバカロレア資格などは,長時間の論述形式であるし,大学のテストも同様なので,フランスの学生は,この形式のテストに慣れています。私にとって,4時間のテストは,すごく長い時間でした。また,基本的にフランスでは,鉛筆は使わず,黒か青のペンを使うので,修正液が必要です。下書き用紙も配られ,文の構成も意識しなくてはいけません。次回のテストへの課題がたくさん見つかったので,しっかりと準備しようと思います。

 

12月8日から3日間, « Fête des Lumières » がありました。これは,リヨンの最大の祭りで,フランス内外から多くの人が集まります。去年は,テロの関係で中止になったので,2年ぶりの開催となりました。リヨンの観光地側のVieux Lyonの至る所で光や映像による催しがあり幻想的な空間になります。プロジェクションマッピングや様々な演出があり,とても楽しめました。ベルクール広場(リヨンにある大きな広場)に11月頃から,突然,観覧車が現れたのですが,祭りのカウントダウンや演出に使われていました。このために作られたのかはわかりませんが,毎年この時期に現れる要です。

 

フランスでは,クリスマスは家族で過ごすことが一般的です。そのため,テストが終わり次第,フランス人学生は,故郷に帰ります。留学生も旅行に出かけていました。私は,リヨンに残っていたので,残っている友人と過ごしました。12月に入ると,クリスマスマーケットが始まります。リヨンでは,日本の祭りの屋台のようなお店が,ペラーシュ(リヨンの駅)の前に並びます。他の駅でもありましたが,ペラーシュが一番大規模でした。クリスマスツリーも売っていて,多くの人が買っていました。日本の置物と違って,本物の木を使っているので,毎年買い替えることが多いようです。28日ごろに見に行ったら,終わっていました。別のクリスマスマーケットに行ったときに,横にスケート場があったので,6ユーロで滑りました。防具を付けずに滑ったので転んだときは痛かったです。

 

24日と25日は,ミサに参加しました。24日は,クリスマスコンサートとミサが合体したようなものがありました。アイスリンクを使ったコンサートでとても楽しめました。無料だったのも驚きです。25日は,朝から2つミサに参加しました。ミサの流れは,だいたい同じですが,教会によってすこしずつ違うのがおもしろかったです。牧師さんたちの歌声がとてもきれいでした。

 

クリスマス後の28日に,フランスで「君の名は」という,日本のアニメ映画が始まり,友人と見に行きました。音声は日本語でフランス語字幕でした。学生料金で6.8ユーロでした。映画館によって値段が違うようです。フランス人の友人も感動したようです。日本のアニメ映画は,人気があるようです。

 

晦日と元日は,フランス人の友人と過ごしました。年越しは,バーで過ごしました。カウントダウンなどで盛り上がっていました。広場に行ってみると,多くの人が叫んでいるような感じで,日本とはかなり違う印象がありました。その後,友人の家に行って,リヨン料理の「クネル」を食べました。友人が作ってくれました。食べながら,テレビを見ていましたが,テレビの番組も日本とは違いました。ニュースや歌番組ばかりで,新年を祝うような番組はほとんどありませんでした。新年についての感覚が,日本とフランスでは大きく異なるようです。少し寂しい感じがしました。1月の第2週から,また授業期間が始まります。1月から留学している友人がいるので,お別れの時期でもあります。改めて,およそ半分の留学生活が終わったということを感じています。3,4カ月で,新しい生活にはなれると思います。後半は,改めて学業に集中したいと思います。

 

写真に関して、インスタグラムに、留学中の写真をすべてアップしてありますので、ご興味があれば見てください。

https://www.instagram.com/ihcioyr_ebanataw/

フランス留学④12月

フランスに来て3カ月が経ちました。リヨンも,秋から冬に変わり,寒い日が続いています。暗くなるのも早くなりました。四季の移り変わりは,日本と同じです。さて,レポートでは,今まで同様,①学校生活,②学校外の活動,について述べたいと思います。

 

まず,学校生活について述べます。11月の最終週に今学期の授業が終わり始めました。そのため,現在はテスト週間となっています。学部や授業によって,テストの日程が異なっています。必修のフランス語とフランス文化のテストは,11月の最終週に行われました。フランス語のテストは,クラスによってテストの内容が異なりました。私のクラスのテストは,文法の問題と仏作文の問題がありました。紙の辞書が持ち込み可でした。フランス文化のテストは,中間テストと同様にマーク式の100問のテストでした。また,私が授業を受けている哲学の授業は,1つのテストが11月の最終週にありましたが,他の4つのテストは,12月中にあります。また,言語学部の授業は,11月の最終週に1つと1月に1つあります。学部によって,テストが密集する時期が異なるようです。そのため,テストが終わり,バカンスに入っている学生もいます。

 

3カ月経ちましたが,フランス語で授業についていくのは,やはり難しいと痛感しています。しかし,先生の言っているフランス語が聞き取れる瞬間が増えてきたようにも思います。全ての授業が終わって振り返ってみると,最後の授業では,聞き取れる内容と量が最初に比べて多くなったと実感しています。まだ,我慢の時期なのかな,と思っています。さらに,これからテストがあるので,精一杯準備したいと思います。授業で使った参考文献をテストまでに読もうと頑張っています。最近,授業以外にもフランス語を勉強する時間を作る必要があると改めて思っています。というのも,単語や文を聞き取れるようになった今,聞き取れても意味がわからない単語が多いからです。語彙を増やすために,TEDという動画サイトを利用しています。動画は英語なのですが,翻訳機能があり,多くの言語に切り替えることができます。それを利用して,動画にでてくる用語を,英語や日本語と比較しながらフランス語の語彙を増やすことができます。自分の専門分野の語彙や言い回しを身に着けるためにはとても良いです。留学前に日本でもできる勉強法なので,もし単語帳に飽きたり,すべて覚えてしまったりした時は,試してみると良いと思います。

 

次に,学校外の活動について述べます。まず,フランス人と日本人の友人と大きな公園でサッカーとバスケットをしました。大学から,メトロで10分ぐらいの場所にある,フットサルコートやバスケコート,ランニングコース,陸上競技場などがあるとても大きい公園に行きました。リヨンには,大きな公園がたくさんあります。フットサルを一緒に行った友人と楽しんでいたら,となりのコートでバスケットをしていたフランス人たちが話しかけてきて,一緒にバスケットをすることになりました。彼らは,リヨン第2大学の学生でした。暗くなるまで,バスケットをしました。スポーツは言語を超えるものであると感じました。

 

その後,友人とケバブ屋へ行きました。ここで少し,ケバブについて話したいと思います。リヨンには,ケバブ屋がとても多いです。リヨン留学の一つの楽しみとして,ケバブ屋めぐりがおすすめです。ケバブは5ユーロで,ムニュは,ケバブとフライドポテトとジュースで7,5ユーロです。店によって,値段や入っている具が異なります。ボリュームもあり,満足度も高いです。ケバブの他にもタコスやサンドイッチなども売っています。また,ケバブ屋は日曜日にも営業している店が多く,食糧を買い忘れたり,料理をしたくなかったりした時は,とても便利でありがたいです。私は,週1以上で,ケバブを食べています。

 

リヨンは美食の街であるので,外国料理のレストランがたくさんあります。東洋のレストランや日本食レストランも多いです。日本食レストランに行きましたが,かなりのアレンジがされています。そのため,日本で食べている料理のイメージで待っていると,ちょっとがっかり?することもあります。もちろん,おいしいですが,日本食?と日本人の友人と笑い合っています。日本人が運営している日本食屋さんは意外に少ないです。ラーメン屋もあり,2軒行きましたが,どちらもおいしかったので紹介します。一つは,「慈山」という,日本人が運営しているラーメン屋で,日本語も通じます。ラーメンは10ユーロ前後で,餃子は5,5ユーロです。おいしいですし,雰囲気もとても良いです。もう一つは,「博多ラーメン」という,中国人が運営しているラーメン屋で,日本語は通じませんが,料理名は日本語(ローマ字)ですし,ラーメンの種類や,中華料理の種類も多く,値段も高くなく,おいしいです。前菜(餃子や半チャーハン)と一品(ラーメンや丼もの)とデザートで,14,5ユーロでした。また行こうと思っています。

 

リヨン日本語補習校のボランティア先が主催の,日本語を学んでいるフランス人(高校生からお年寄りまで)との日本食パーティーがありました。80人近く集まり,から揚げや卵焼きを食べながら,フランス人と楽しく話をすることができました。情報技術を学んでいるフランス人と仲良くなりました。日本が好きで,日本に住みたいから日本で働きたいと言っていました。彼は,親子で日本語を勉強していて,お母さんと2人で,日本の良いところを語ってくれてとても嬉しかったです。その後,パーティーで残った日本食を分けていただきました。

フランス留学③11月

本日は、休日であると聞いたので、ブログを更新します。これから、実験コード書き書きな日々になるので、事前息抜きとして、フランス留学レポートを書きます。今回は、2016年の11月の頭に書いたものを基にしています (ほぼそのまま)。わからない情報は、そのうちに解決していきますので、こちらの記事でもわからないままにしておきます。

 

フランスに来てから約2カ月が経過して、大学生活やフランスでの生活にも少しですが,慣れたような気がしていました。①学校生活について,②学校外の活動について,順に書いていきます。気候もだんだんと寒くなってきて,曇りや雨の日が多くなってきました。10月30日でサマータイムが終わったので,日本との時差は8時間になりました。

 

まず,学校生活についてです。9月から授業が始まりましたが,10月に中間試験があった授業が多かったです。フランス語の授業は,クラスによって試験内容や試験日はバラバラのようでした。フランス文化の授業は,マーク式のテストがありました。私が履修している他の科目は,全て筆記式のテストでした。授業によっては,留学生向けに特別にテストを作ってくれる先生もいました。口頭で答えるようなものや、辞書の持ち込みOKなどがありました。これからの授業の進み方はわかりませんが,一応シラバス上では,11月で授業は終わるようでした。ただ,その後にテスト期間が別に設定されていて,これからの流れがよくわからない状態でした。

 

フランスでの授業スタイルは,ホワイトボードに板書することよりも先生が口頭で授業を進めていくことがほとんどでした。パワーポイントも使わない授業も多かったです。そのため,授業を聞きながらノートを書き,内容を理解しなければなりませんでした。当時まだ,フランス語で授業を理解することが難しく,聞こえた単語をノートに書くのが精一杯でした。そのため,ボイスレコーダーで授業を録音し,家で聞きながら復習をしていました。留学には,ボイスレコーダーは必須だと思います。テストや補講についても口頭で言われるので,注意が必要でした。

 

留学生は,履修登録をしても名簿に載っていないことがあり,直接名前を先生に伝えることが多かったです。当時,授業を理解できるようにする方法を模索中していました。私の場合,専門分野の違う哲学の授業を受けているので,専門用語を理解することも難しさの一つでした。99ユーロで,ワードなどが使えるタブレットを買いました。スマートフォンタブレットは,予測変換機能が優れているので,発音を聞いて入力すると,正しいつづりで表示してくれるので便利です。参考文献も,近くに古本屋を見つけたので,なるべく買って読もうとしました。

 

次に,学校外の活動についてです。まず,毎週土曜日の午前中に,“リヨン補習授業校”で,小1準備クラスの授業のアシスタントをしていました。リヨン補習授業校とは,両親が日本人や,片親が日本人である子どもたちに日本語の授業をする学校で,文部科学省の認定を受けています。小1準備クラスとは,主に6歳前後の子どもを対象にしたクラスで,日本の小学1年生の教科書を使っていました。当時は,自分の名前や“あ,い,う,え,お”を書く練習をしました。フランスでは,9月はじまりで、6歳から小学校に通うため,日本と1年のずれがあります。そのため,日本の小学1年生の準備期間として,小1準備クラスがあります。生徒たちは,日本の子どもたちと同じように元気でした。私の専門は発達心理学なので,この時期の子どもに関われることはとても勉強になるので,楽しく活動していました。リヨン第3大学の日本語の先生が,授業内でアシスタントを募集しており,その授業を受けていた日本人留学生の紹介で,参加することを決めました。毎回,交通費として,切符2枚もらえます。さらに小さい年齢のクラスもあり,多くの日本人留学生がアシスタントをしていました。<- この経験が発達で院進するきっかけの一つです。

 

ボランティアの他にも,余暇の時間をフランス人の友だちと過ごすことが多いです。毎週なんらかのパーティーがあります。メンバーは毎回だいたい決まっていました。“レッドハウス”と“ボストン”という,学生がよく集まるバーがあり,フェイスブックなどで連絡が回ります。フランス人にとって,パーティーやバーに集まることは,友だちとのコミュニケーションのための大切な時間なのだと思います。楽しく友だちとフランス語会話の練習ができました。日本のバーは,おしゃれで大人なイメージがありますが,フランスでは,楽しく話したり,踊ったりする場所のようです。また,“コトポ”という,国際交流バーがあり,第1,第3水曜日が日本人との交流日になっていました。そのため,リヨンで生活している日本人や日本が好きなフランス人や日本語を勉強している学生が集まります。普段は,日本語学科の友だちと一緒にいるので,日本語学科以外の新しい友だちを作るのにとても良い場所です。ただし,当時は,人が多すぎて,店内に入りきらないことがよくありました。水曜日は,“コトポ”→“ボストン”という流れが,学生たちの主流になっていました。

 

他にも,フランス人の友だちの家で過ごすことも多かったです。フランス人は,家でパーティーすることも好きなようです。フランス料理や故郷の料理を作ってくれました。哲学の授業で仲良くなったフランス人学生は,日本の映画と漫画が好きで,一緒に映画鑑賞をしました。彼は,黒澤作品が好きで,DVDを持っていました。遊びに行った家すべてに,テレビゲームがありました。ファミコンを持っている人もいて,びっくりしました。ポケモンがとても人気なようでした。今回はこのぐらいにして,写真を多めにしたいと思います。

 

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夕日とローヌ川

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パスタとトマトソース

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リヨン第2大学の校舎

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ケバブの皿バージョン

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哲学の本

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駅の近くの大きなスーパー

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大学のイルミネーション

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学生寮

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ブション(レストラン)

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リヨン第3大学校舎内

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壁に描かれた絵

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バゲットとクロワッサン

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サンテグジュペリと王子さま

 

フランス留学②10月

帰国してからほとんどフランス語に関わる機会がなかったのですが、先日留学先で仲良くなった国際結婚して、赤ちゃんが生まれた友人とzoomで思い出話をしました。懐かしかったです。赤ちゃんのことをいろいろ教えてと言われました。3組国際結婚をした日本人男性の友人がいます。

 

フランスに来てから約1カ月が経過した際に書いたものです。大学での授業も始まっています。①授業について,②生活について,書きます。

 

まず,①授業についてです。9月2日から授業期間がスタートしました。2日は,主に学部の説明が中心で,授業は,5日から始まりました。フランスの大学では,授業のタイプが主に3つあります。簡単に説明すると,講義形式で先生がずっと授業をし続けるタイプ(=CMと言います)。学生の議論などがあり,先生がずっと授業をしないタイプ(=TD)。その両方が数回ずつ授業期間にあるタイプ。以上のタイプがあります。また,私は哲学部に所属していますが,基本的に留学生は好きな授業を選ぶことができたので,哲学の授業だけでなく,言語学部の授業も選びました。留学生は,フランス語とフランス文化の授業が必修でした。

 

フランス語の授業は,9月2日のクラス分けテストでクラスが決まりました。テストは,全てマーク式で,文法知識の問題とリスニングがありました。テストの説明は口頭のフランス語で話されました。注意してほしいのが,全て回答する必要はないということでした。わからない問題はマークしないように注意がありました。実力にあった授業のクラスに入るためです。偶然の正解があると,実力以上のクラスに入ってしまう可能性があるためです。フランス語の授業は,クラスによってレベルや授業内容が異なります,私は,おそらく一番下のクラスに入りました。私のクラスでは,前置詞(deとàなど)や代名詞(luiとleurなど)の授業から始まり,講義が中心です。次に月から、グループプレゼンが始まりました。しかし,他のクラスでは,リスニングの授業をしていたり,プレゼンが始まったりしていました。このように,クラスのレベルによって,基礎文法から始まるクラスや発表が中心のクラスに分かれるようです。日本でしっかり文法などを固めることが大切だと改めて思いました。

 

フランス文化の授業は,アルファベット順に3つのクラスに分かれて授業がありました。リヨンの偉人についての授業から始まりました。フランス語の授業は2時間,フランス文化の授業は1時間で,他の学部の授業は1.5時間が基本的な授業時間です。

 

次に,日本の大学(私の母校)との違いについて書きます。まず,シラバスは授業内容と文献のみしか書かれていませんでした。また,授業と授業の間に休憩がありませんでした。そのため,移動教室の場合は,次の授業が始まる時間に間に合いません。ただし,授業は,時間通りには始まらないので急げば間に合います。また,一日の最初の授業は8時から始まり,最後の授業は20時に終わります。そのため,曜日によって生活スタイルは異なります。さらに,授業中は,先生だけでなく学生も質問などで手をあげたり,意見を言ったりすることがとても多いです。最後に,成績の付け方にも違いがあります。日本では,60%以上が合格ですが,フランスでは,10/20以上が合格となります。

 

私は,フランス語とフランス文化の授業を入れて,9つの授業を履修しました。日本人留学生の中には,授業をほとんど履修せず,聴講で授業を受けている学生も多くいます。生活や授業のバランスを考えて授業を選ぶことが大切だと思います。スポーツの授業もあるようです。射撃やカポエラーや筋トレなどがありました。

 

次に②生活についてです。銀行口座も無事に開設できました。銀行口座については,大学が提携している”BNP PARIBAS”という銀行を使用しました。銀行の場所が家から約15分であり(大学からは約30分),リヨン大三大学内にATMがあるため使いやすいと思います。海外送金についてですが、日本のお金をフランスで使うための方法はいくつかあるので,事前に調べて自分に合った方法を選ぶと良いと思います。私は,日本の口座から引き落としのクレジットカードを主に使っています。また,事前に両親に送金してもらうためのお金も準備していました。私の寮は,水道・電気が寮費に含まれているため良いのですが,日本人留学生の中では契約をするために銀行口座が必要だった学生もいました。家賃の支払いにも銀行口座が必要な場合もあるようです。移民局への手続きも早めに行いましょう。私はギリギリになって行いました。在留届もしっかりと出しましょう。

 

次に,買い物についてです。まず,フランスではエコバックが主流です。そのため,買い物に行くときは,袋を使い回します。袋もスーパーで買うことができます。また,レジに行くと,ベルトコンベアーに自分で品物をかごから出し,自分で袋に品物を詰めます。お金を払うと次のお客さんの品物が流れてくるので,日本のようにきれいに袋に入れるのは難しいです (私がへたなだけです)。また,リュックサックの中を確認されたり,買った後の袋の中身を確認されたりする場合もあります。ほとんどのお店にガードマンらしき人がいて,いつも見張っています。よく行く店のガードマンと仲良くなりました。また,お店への出入りやレジでは,必ず挨拶をすることがマナーです。”Bonjour”と”Merci”,”Au revoir”を言った方が良いです。また,カードを見せて,”carte”と言えば,クレジットカードで払うことができました。

 

次に,売っているものについてです。まず,パンが安いです。”LiDL”というスーパーで,クロワッサンが1つ0.29ユーロで買えました。おいしそうだったのでよく4つ買ってしまいました。また,バゲット(日本ではフランスパン)も0.49ユーロでした。店で焼いているため,焼き立てのパンがおいしく食べられます。また,リヨンはソーセージやサラミなどの腸詰めの料理が有名です。そのため,ハムだけでなく,サラミのようなものがたくさん売っていて,とてもおいしいかったです。ただし,サンドイッチやサラダなどの出来合いのものは,スーパーで買うとあまりおいしくないです。私は,基本的にはサラミやパンなどを食べていますが,友だちとレストランに行ったり,ケバブ屋さんに行ったりすることも多かったです。美食の街であるリヨンでは,おいしいものが周りにたくさんあります。しかし,少し高いので,普段は節約して週末や友だちとおいしいものを食べるのが良いと思います。大きなスーパーは,”LiDL”, “Casino”, “Monoprix”,が家の近くにありました。”LiDL”は食品が一番安いです。他の2つは,独自のブランドの品物や,生活用品が売っていて便利です。

 

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フランス留学①9月

2016年8月~2017年7月までフランスのリヨン第三大学に交換留学をしていました。その時のレポートを見つけたので、少し修正してブログに書きます。発達や研究、大学院生活とは関係ありませんが、せっかくなので番外編としましょう。コロナで留学が難しい世の中ですが、海外に行きやすくなる日が戻ってくることを願っています。今回は、2016年9月、フランスに行って2週間くらいの時に書いたものです。留学を考えている方のモチベーション維持に貢献出来たらと思います。

 

①日本での準備,②フランスに来てからの生活について書きます。まず、①日本での準備についてです。2016年5月に交換留学の学内選考があり,6月にインターネットを通して,学生寮の登録やSIM(授業が始まる前の一週間にある事前講習)の登録を行いました。また,“キャンパス・フランス”という,フランス留学をするために登録が必要なサイトがあります。登録が終わらないと,VISAが取得できません。また,6月と7月に大学で留学生向けの事前研修に参加する必要がありました。VISAや海外留学保険も7月中に登録しました。

VISAに関しては,フランス大使館のサイトから書類を印刷し,書き方は,“フランス ビザ 書き方”などで検索すれば,簡単に記入することができます。交換留学生は,水曜日の午前中に予約なしで手続きができます。私は,約1時間半順番を待ち,5分で手続きが終わりました。また,学生寮に入居する日にちを登録しても,入居可能日はSIMの始まる日からです。そのため,その日までは,ホテルなどに泊まることになります。以上が留学に必須な情報です。さらに,私は,DELFのB1の受験と“フランス留学準備セミナー”に参加しました。フランス語の勉強のために,DELFを受けることをおすすめします。

5月の3週目に筆記試験,5月の4週目,あるいは6月の1週目に口述試験がありました。3月頃から,募集がありますが,東京,横浜会場は,定員があるので,早めに登録することが必要です。私は,登録が遅かったので,仙台の会場に受けに行きました。“フランス留学セミナー”は,キャンパス・フランスが主催している,長期留学生向けのセミナーです。多くのフランスへの留学生が来ていました。フランスでの手続きやフランス語の勉強の仕方についての説明がありました。また,他の留学生と交流する時間があり,リヨン(第2, 第3,カトリック)大学への留学生と話したり連絡先を交換したりすることができました。彼らとは,フランスに来てからも助け合うことができました。

最後に,飛行機については,“Cathay Pacific”という,香港の航空会社で,香港で乗り換えをしました。片道券で,10万円弱でした。復路の日にちを選べる往復券を買うと良いらしいです。海外に行くのが初めて(高校の修学旅行を除いて)だったので,往復券についてよく知りませんでした。また,航空券を購入後にすぐに学生寮に入居できないことがわかり,パリに1泊,リヨンに1泊しました。航空券とホテルは,楽天のサイトを利用しました。また,すべて,クレジットカードで払いました。持ち物については,インターネットで調べた方が正確なので述べません。ただ,私は変換プラグを忘れて,パソコンが一週間使えなくて少し困りました。あとは,友だちへのお土産を準備した方が良いです。

 

次に,②フランスに来てからの生活について述べます。まず,飛行機で“パリ・シャルル・ド・ゴール空港”に午前中に到着しました。その後,SFCF(フランスの国鉄)で,パリの北駅(gare de nord)に行きました。その駅近くのホテルに一泊しました。次の日に,北駅からパリのリヨン駅(リヨンへ向かう駅)に地下鉄で行き,TGV(フランスの新幹線)で2時間かけて,リヨンの駅(Lyon Part Dieu)に行きました。シャルル・ド・ゴール空港からもTGVでリヨンに行けるのでその方がスムーズにリヨンに行けると思います。リヨンの駅からリヨン第三大学まで徒歩でまっすぐの道です。TGV以外は,切符の販売機で買いました。TGVは,事前にインターネットで予約をしていました。全て,クレジットカードで払いました。

次に,リヨンについて述べます。リヨンは,とても歴史のある都市で大学から2つの川を渡ったところを “Vieux Lyon”と言い,古いリヨンの街並みや教会,遺跡があります。また,リヨンのレストランをブション(bouchon)と言います。リヨンは,美食の街でもあり,レストランの料理はとてもおいしいです。しかし,毎日おいしいレストランに行くことはできません。スーパーでサンドイッチを買って食べました。スーパーなどで買う出来合いの料理よりも,日本の料理の方がおいしいと感じました。リヨンのスーパーは日曜日の営業は午前中だけだったり休みだったりします。また,コンビニもありません。ペットボトルも,1.5や2.0Lが多いし,町中や学校では,2.0Lの水のペットボトルを持っている人が多かったです。

次に大学の授業について述べます。SIMを受講しました。世界中からの留学生がフランス語の授業を一緒に受けていました。ただし,日本人の割合はとても高く,休憩時間では,日本語が聞こえてきました。授業の進み方は,先生が少し説明した後に,生徒からの質問で授業が進んでいきます。日本の大学の授業とは異なり,多くの学生が授業中に質問をします。質問が無いと,授業を進めない先生もいました。リスニングだけでなく,質問を考えることも大切なのです。リヨン第三大学には,日本語学科があります。私は,日本語学科の学生と大学の近くのバーで仲良くなりました。フランスでは,日本でよく使われているLINEは使われていません。そのため,facebookメッセンジャーのアカウントを持っていると,連絡先の交換ができます。次の日も誘われて,飲みに行きました。その後,遊びにも行きました。

また,私が一番苦労したのが,手続きでした。大学の手続きや学生寮の手続き,社会保障の手続きと,全て自分でやらなくてはいけません。フランス語だけでなく,英語でも対応してくれる場合があります。そのため,英語も準備していくと手続きがスムーズにできると思います。私は,学生証をもらうために1週間かかりました。すべての手続きが終わってから,学生証がもらえます。また,写真がたくさん必要になるので,パスポート用の写真を準備しておくと良いです。また,携帯電話については, “free”という,フランスの携帯会社があり,simフリーでデータ通信無制限で月に19.9ユーロで使えます。学生寮は,キッチンだけが共同の大学から歩いて20分の場所にあります。また,日本との時差がサマータイム時に7時間です。そのため,日本にいる家族や友達との連絡は気を付けなくてはいけません。

 

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2020年後半を振り返って

先日、無事 (?) に修士論文を提出しました。少し休んで、この修士研究をもとに、ジャーナル論文を書いています。今月中には、次のオンライン実験を始めたいところです。対面実験は当面の間、中止になりました。あと、初めての国際会議でのポスター発表も修論提出直後にありました。オンライン開催で、「スラック」というものを使いました。自分のチャンネルに5分の研究紹介動画と、発表資料を張っておいて、自分の担当時間に、質疑応答と議論をするという感じでした。アブストも公開されています (https://bcccd21.sched.com/event/gE9J)。

あと、宣伝ですが、私の研究室も関わっている研究プロジェクトで、ゆるキャラロゴマークを募集しています。クオリアやお絵かきが好きなお子様やお友だちがいましたら、ぜひ教えてあげてください。小学生、中学生、高校生、大学生 (一般も) が応募できます (つまり誰でも)。

docs.google.com

 

それでは、2020年後半を振り返ります。

【7月】

・ジャーナルクラブで、Cohen and Rubenstein. (2020) を発表しました。

www.sciencedirect.com

 

・授業で、シミュレーションの教科書の章を発表して、emergentを動かしてみました。

github.com

・英語ゼミで、Plebanek and Sloutsky. (2017) を発表しました。

journals.sagepub.com

・Inquisitを使って実験コードを書いて予備実験を行いました。

www.millisecond.com

ベイズ統計モデリング勉強会で、ロジスティック回帰モデルと交互作用を発表しました。

実践Data Scienceシリーズ RとStanではじめる ベイズ統計モデリングによるデータ分析入門 (KS情報科学専門書) | 馬場 真哉 |本 | 通販 | Amazon

修論研究の倫理が無事におりました。

 

【8月】

・予備実験、データ解析、実験コードの修正の繰り返しました。

・カンデル・RStudio勉強会で、「視覚情報処理と行動」を発表しました。

www.amazon.co.jp

www.amazon.co.jp

・9月にある、YPP2020と赤ちゃん学会の発表抄録を準備しました。

 

【9月】

・ジャーナルクラブで、Hviid, Pin, Skora, Standberg, Overgaard, and Wierzchon. (2020) を発表しました。

www.sciencedirect.com

・予備実験、データ解析、実験コードの修正の繰り返しました。

・YPP2020で「子どもと大人の見ている世界は違うか」を発表しました。その後、有志でさらに、研究発表会を行いました。

・論文 "Seven- and eight-year-old children’s deception in the conflict situation" をPsyArXivで公開しました。これは、今年、紀要論文としてどこかに投稿しようと思っています。

https://psyarxiv.com/85b36/

・若手研究者海外挑戦プログラムに応募しました。

www.jsps.go.jp

・学振の不採用通知が届きました。不採用Aでした。

 

【10月】

SRCD (The Society for Research in Child Development) に発表アブストを提出しました。SRCDは落ちることがよくあるので、アブストを英文校閲にも出しました。

www.srcd.org

・BCCCD (Budapest CEU Conference on Cognitive Development) に、発表アブストを提出しました。発達系の院生さんは、SRCDとBCCCDは、主要な国際会議になるのではないでしょうか。

bcccd.org

・実験コードもほぼ完成して、予備実験の打ち合わせをウェブ調査会社と行いました。子どもの結果が不安定だったので、年齢群を慎重に相談しました。

・授業で修論の進展状況を発表しました。

 

【11月】

・コロナで止まっていた前の実験の成人と子どもデータを収集しました。

・研究室ゼミで発表をしました。

・英語ゼミで意識研究のレヴューを発表しました。

サントリー文化財団の「若手研究者のためのチャンレンジ研究助成」に応募しました。

www.suntory.co.jp

修論研究のデータの収集が始まりました。

・BCCCDの研究紹介動画を作成し、提出しました。

 

【12月】

・ジャーナルクラブで、Frank, Brundl, Frank, Sasaki, Greenlee, and Watanabe. (2020) を発表しました。

www.sciencedirect.com

修論研究のデータ収集が終わりました。

・若手海外挑戦プログラムは、不採用Bでした。4月に再び、応募のチャンスがあるので、また挑戦します。

・大学院博士課程編入の願書と研究計画書を提出しました。

・海外ラボ (モナッシュ大 土谷研究室) で発表をしました。

https://sites.google.com/monash.edu/tlab/home

・授業で修論進展を発表しました。

・新しい研究プロジェクトの準備を始めました。

・レジレポのイントロと方法を書き、共同研究者と共有しました。

・後半から修論執筆に専念しました。

・グーグルスカラーとリサーチマップのアカウントを作りました。

https://scholar.google.com/citations?user=Ag5WLRwAAAAJ&hl=ja

渡部 綾一 (Ryoichi Watanabe) - マイポータル - researchmap

 

1/5に修論を提出しました。

こんな感じの半年を過ごしました。

 

卒論生と修論生の方々、大変お疲れさまです。

まだ、頑張っている方もいると思います。

最後までがんばってください。どうか体調を崩さないように。

M2の方は、博士課程進学を再考している方もいると思います。

実験や執筆中にいろんな経験もしたでしょうし、今後のビジョンも変わったかもしれません。

本当にお疲れ様です。同時期に修論執筆できたことをうれしく思います。 

大変なご時世の中で、2021年が始まりましたが、

できることを積み上げていきましょう。

今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

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2020年前半を振り返って

2020年が終わりますね。修士論文の締め切りが1/5です。第二稿を書いて、指導教員や共同研究者の先生にコメントをもらったので、提出までに修正しています。この一年に何をしていたかを振り返ろうと思います。私は、発表した資料や提出した書類をファイリングしています。ちなみに、今年一番のがっかりイベントは、想いを寄せていた女性に振られたことで、一番のやったーイベントは、妹が入籍して、かつ、甥っ子が生まれたことです。ちなみに、私の家系では、妹が初の大卒者で、お兄ちゃんは、いろいろと先を越されてばかりです。長男だけど、がんばれてないかもしれない。

 

【1月】

12月にやっと実験計画が固まって、実験用PCの到着を待ちながら、倫理審査申請書を初めて書いていた。12月中旬に委員会に提出したのだが、理由を忘れてしまったが、審査には回っておらず、1月に入ってから、事務から返ってきて修正のやりとりがあって、2週目にやっと審査に回してもらった。社会的意義に苦戦した。

意識の研究のレヴューと研究計画について、ゼミ生の勉強会で発表しつつ、成人の予備実験を始めた。

実験プログラムにPsychoPyを使っていたのだが、なぜか100Hzに設定してもモニター上では、50Hzになってしまう現象が起きてしまったので、本実験は、50Hzで20ms刻みで行うことになった。子ども向けの刺激の選定にかなり苦戦した。

2月に、発表の機会が2つあった。「京大の若手研究者の発表会」と「知覚コロキアム」で発表しようと思い、その準備を始めた。ASSC (国際意識学会) の締め切りが3/1だったので、それにどうにか間に合わせようと倫理審査の結果を待っていた。

4月から、指導教員が所属を移動するため、指導委託に関する話し合いがあった。あとは、6月から修論の研究として脳波計測をする予定だったので、その打ち合わせもしていた。コロナで、この研究は、当分できなくなった。

学振に書く内容を考えて、まとめていた。

 

【2月】

子ども向け課題の準備もできて、予備実験を始めた。半分くらい分析には使えない結果になった。なかなか、ルールが子どもに伝わらなくて、いろいろ修正案を考えた。

学振に書く研究計画や業績をMTGで話した。投稿していた論文の審査結果がなかなか返ってこなかったため、編集局に催促のメールを送った。学振の提出があるので、少しだけ急いでもらえませんかとお願いをした。学振の自己アピールを書き始めた。

予備実験のデータを知覚コロキアムで発表することにして、アブストを提出した。CoRN (アジア意識学会) 用に準備していたものがあったので、日本語に直して提出した。しかし、コロナの影響で、知覚コロキアムは中止になった。ちなみに、CoRNも中止になった。

倫理審査通って、本格的にデータを取れるようになった。研究室で使っていた同意書や研究説明書なども指摘が入ったので、いろいろと修正をして受理された。

このころから、知り合いの大学院生と意識研究会を始めた。自分の研究や意識に関する論文を発表して、議論をするようになった。2週に一回ずつ行っていた。

ASSCでの発表用のアブストも提出した。初めての国際会議発表となる予定であった。しかし、コロナで中止になった。

 

【3月】

研究計画をプレレジした。研究室の先輩がいくつかプレレジしていたので、それを参考にしながら、書いて、2回ほど添削してもらってから登録した。

ゼミ生勉強会で、予備データとプレレジに関して発表した。

東京の方では、コロナがはやり始めていたが、関西の方はまだ危機感はなかった。成人のデータを取るために、実験のスケジューリングとチラシやホームページを作成した。ほとんどの参加者は、生協の掲示板を見て参加していた。

ボスが主催する身内の研究会で発表した。イントロの意識研究のレヴューで毎回議論がヒートアップして、実験計画や結果の議論の時間が少なくなることがよくあったので、抑えめに作ったつもりであったが、相変わらずヒートアップした。

自己意識、セルフの勉強会をゼミ生で始めた。私は、ギャラガー (2000)を担当した。他には、ナイサーやロシャを読み合った。

学振書類の第一稿を書き終えて、他の研究室の同期と読み合い回を2,3週ごとに行った。しかし、計画をまるっきり変更することになった。

脳科学若手の会の合宿で発表する準備をしていたが、コロナで中止になった。

 

【4月】

研究室が変わってしまい、元の院生部屋と新しい院生部屋のどちらにいればよいのかがわからなかった。案の定、ボスは、大学は同じで研究科だけ移動になったので、同じキャンパス内で、建物が異なるだけだった。元の方も、新しい院生や留学生も来るということで、物理的に私は行かない方がいいのではないかと思った。新しい方は、所属が違うから行っていいのかがわからなかった。図書館や天気が良い日は外で作業していた。

もともとの研究計画ができなくなってしまい、実験も止まってしまった。そんななかで、ボスが、共同研究の話を持ってきてくれた。意識研究者と共同研究をすることができるようになった。これは、チャンスだと思った。それから、2週ごとにMTGを行った。

投稿していた査読が返ってきた。メジャーだけど再投稿のチャンスがあった。意図が理解できないコメントがいくつかあって、ボスや先輩に相談しながら、なんとか修正をして再投稿した。4つ目のジャーナルでやっとレヴューに回してもらえたことはうれしかった。

学振書類も修正して、先輩や同期に添削してもらいながら修正した。

やっと3月から始めた実験は、そのまま中止になった。

【5月】

論文がリジェクトされた。2回目の修正のチャンスはなかった。その後、他の雑誌2つに投稿したが、リジェクトとなった。もうこれ以上、投稿する雑誌は、無さそうだったので、ひとまず置いておくことにした。学振には間に合わなかった。

いろいろあったが、学振の書類を無事に提出した。実際の指導教員と書類上の指導教員が違うので、少しやりづらいところがあったが、お二人の協力のおかげで出せた。

 

【6月】

授業ゼミで先行研究レヴューと実験計画を発表した。研究室でも発表をした。

このころくらいから、新しい院生部屋を使えるようになって、先輩方からいろいろと教えてもらえるようになった。

 

ここから、快進撃が始まるのだった。。。

とりあえず、これくらいにしておこう。

振り返るのも大事だが、休むことも大事である。

修論を提出してから、後半を書こうと思います。

 

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国際誌への投稿と査読結果からプレプリント - 卒論の続き

気づけば11月半ばですね。卒論・修論の提出が本格的に迫ってきましたね。私も修論を書いており、現在イントロと方法を書いています。実験はいろいろとトラブルがあり、少し止まっているので、ハラハラしています。オンライン実験を計画しています。ウェブ調査会社のアンケート画面から実験用のURLに進み、実験プログラムをダウンロードしてもらい、実験を行い、またアンケート画面に戻り手続きをするようにしています。①新しい実験ソフトウェアでのプログラミング、②ウェブ調査会社とのやりとり、③実験ソフトのライセンスが切れる、とトラブルが続き、時間がかかってしまっています。

 

この研究は、イントロと方法、予備実験のデータをまとめて、レジレポする予定です。修論では、このレジレポに肉付けしようと思っています。プレレジとレジレポは、今後、心理学を志す学生さんは、調べておくとよいです。簡単に言うと、プレレジは、研究のイントロと方法を事前に登録することです。私も一つ行っています (https://osf.io/dgy3v)。レジレポは、このプレレジ (+ 予備実験データ) を雑誌投稿して、査読することです。データを見てから、イントロや仮説を変えるということができないように、事前に登録するものです。

 

私主体でやっている研究は、2つで、一つはプレレジ、一つはレジレポ予定、で行っています。卒論でやった研究は、プレプリント (https://doi.org/10.31234/osf.io/85b36) と来年の国際学会発表 (BCCCD21) します。なので、3つの研究に関して、いろいろ作業しています。まだまだ、少ないですが、少しずつ同時並行で、できるようにがんばっています。

 

卒論の話の続きをします。学部4年生の1月に卒論を提出してから、2,3月で英語に直しました。卒論などの学位論文は、雑誌論文と違って、イントロや結果、考察で多めに書くことが多いです。雑誌論文は、必要最低限のものだけを書きますが、学位論文は、研究や勉強の成果を書きますので、その分が多いです。私の卒論は、日本語で2万字、英語でもそのくらいだったと思います。それを、英語で4000 ~ 4500 wordsにするという、最初のミッションがありました。私の実験は、人形劇をしていて、条件も複数あり、詳細を方法に詳しく書く必要がありました。また、いろいろ盛り込んだ部分があり、論理的に繋がらない部分を抜きました。

 

先輩や先生に直してもらいながら、4~7月で書き、初めての雑誌投稿をしました。そして、二日後に、"エディターキック" デビューをしました。エディターキックとは、論文がレビュワーに回ることなく、編集担当者 (エディター) によって拒否されることです。2つ目の雑誌に投稿したときは、半日でキックでした。めっちゃ早くてびっくりでした。その後、1週間キックがあり、4つ目で、7か月のレビューの末、修正後投稿がありました。修正して、英文校正をして再投稿しましたが、拒否になりました。これは、少しショックでした。その後、一週間でレヴューが来て、拒否、その次は、倫理規定の関係 (倫理審査を通せなかったから) で拒否でした。一年半で、計6回拒否をされて、もう出せるところがないし、せっかく英語で書いたし、アイデアは面白いと思うし、日本語にして紀要論文に出す気もないし、少しでも多くの人に読んでもらえる方法として、アーカイブプレプリントとして残すという決断に至りました。プレプリントの正しい使い方ではないかもしれませんが、やった研究を何かしらのものとして世に出すことは大切だと思っています。

 

ちなみに、査読結果については、①受理、②小規模修正、③大規模修正、④掲載拒否があります。査読者も2~3名が多いと思います。もし、学部生などで、査読に関して詳しく知りたい方は、「論文投稿」とか、「査読」などで調べてみると良いです。あとは、身近な先生や大学院生に聞いてみてください。そして、愚痴を聞いてあげてください。

 

そういう経緯があり、卒論は、英語でプレプリントとして、PsyArXivにアーカイブしました。そして、卒論研究でも、研究者を目指す方や大学院に進学する方は、できる限り、倫理審査を通したほうが良いと言っているのは、こういう経緯があったからです。日本語の紀要論文だったら、倫理通ってなくてもいいところもあると言われましたが、倫理を通すことは、研究の質を担保する最低限の基準です。そして、倫理審査委員会がない大学や研究科もあると思います。研究を志す学生のためにも、ぜひ設置してほしいです。

 

私もめげずに、研究を続けていこうと思っています。学振DC1は、落ちてしまいましたが、来年のための研究助成金を2つ申請しました。今年度中にも、今やっている研究の論文を投稿しようと思っています。また、落ちるかもしれませんが、私の研究はとても面白いし、応援してくれている人もいるので、頑張りたいところです。2月に博士課程の大学院入試を受けます。

 

なにかあれば。

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卒論執筆について

先日,学振という,来年度から2~3年ほど生活費と研究費をもらえる研究員の審査結果が出ました。私は,学振DC1に応募していました。DC1は,博士課程3年間の研究員制度で,修士2年の5月に申請書を提出して,9-10月に結果がでます。私の研究計画は,残念ながら不採用となりました。研究者は,研究費獲得のために申請書を書き,研究をして,論文を書きます。しかし,申請書のためには,業績 (論文) が必要です。つまり,ループになっています。査読つき国際誌1本目の論文,研究者誰もが通過するものですが,大学院生にとっては,一つの乗り越えるべき大きな壁でしょう。

 

今回からは,卒論~プレプリントまでの流れを書きます。まず,①卒論執筆について書きます。次に,②国際誌への投稿と査読結果 (拒否) について書きます。次に,③査読結果 (要修正) と修正,再投稿について書きます。最後に,④プレプリントの公開について書きます。

 

まずは,①卒論執筆についてです。私は,心理学部や学科ではなく,国際教養学の発達心理学ゼミで卒論を書きました。3年前期の段階では,意思決定論で1万字ゼミレポートを書いていて,意思決定のモデルなどをやりたいと思っていました。思い返すと,当時は,認知心理学を専門にしたいと思っていました。一年留学をして,3年後期からゼミに復帰してからは,せっかく発達心理学ゼミだし,道徳性発達の先生だから,子どもの道徳性の発達で卒論書こうかなと決めました。ピアジェやコールバーグの認知的アプローチやウィゴツキーやチュリエルなどの文化・社会的アプローチなどをまとめていました。大学院進学を決めていたので,発達心理学を中心に,心理学の勉強を少しずつ始めていきました。道徳性の発達を調べていると,子どもは○○をどのくらい悪いと判断するのかといった「理解」研究と子どもは○○の状況でどのように振舞うのかといった「行動」研究があることがわかります。

 

道徳性の発達に関係する論文や日本語の本は,手に入るものは一通り調べました。当該分野の勉強はいくらでもできますが,「研究テーマ」を決めることはとても難しいです。勉強していて損はないと思って,発達心理学のビックトピックである「心の理論」と「実行機能」も勉強していました。研究テーマを考えている中で一冊おもしろい本に出合います。神戸大の林先生の『子どもの社会的な心の発達:コミュニケーションのめばえと深まり』1です。その中で,「子どもの嘘の発達」について書かれていました。すごくおもしろかったです。さらに,心の理論と実行機能とも重要な関係があると。自分の子どもの時の経験にもリンクしている。同じ時期に,某学会で,すてきな方だなあって思った人が,子どもの嘘に関する研究を発表していました。決断の時でしたね。そんなことがあって,「子どもの嘘の発達」を卒論テーマに決めました。もちろん,指導教員やゼミ生には,林先生の本のことしか話していません。

 

子どもの嘘に関しては,トロント大学のLee先生がたくさん出しています。大学院受験時の研究室訪問の際に知ったのですが,現在の指導教員とLee先生は知り合いだったので,少し運命を感じました (笑)。3年後期は,子どもの道徳性・嘘研究調べ,心理学の勉強,あとは療育施設で発達支援サポートのアルバイトをしていました。月・火・水は,勉強と研究,木・金・(土)・日は,アルバイト (7時間~8時間) と空き時間に勉強をしていました。

 

4年生 (5年目) の4~8月は,アルバイトと大学院受験準備を優先していました。京大の出願書類には,研究報告書があります。A4で5ページ,卒論の進捗状況を書きます。ここで,卒論の実験デザインを練りました。研究者を目指すのなら,卒論を1本目のジャーナル論文にできるレベルで書かないといけない。相関では弱い。実験を考えなさい。要因計画を考えなさい。大学院生受験するなら,テーマを与えられたらすぐに研究計画を考えられるようにならないといけない。最初は,嘘課題と心の理論課題,実行機能課題の成績の相関を見ようとしていました。なにがだめなのか?課題をやってるから実験じゃないのか?といろいろ考えていました。やっと,大学院受験書類を提出する直前に,言葉の意味がわかりました。データを取って事後的にそれらの関係を見る相関研究ではなくて,仮説をもとに,要因計画を考え,こちらで条件設定をする実験研究をした方が良いということだったんだと。

 

こういう研究あるよ。と2つ日本語の紀要論文でしたが,紹介してくれました。書類提出1週間前です。私は,「敵と仲間が同時に存在している際に,子どもは敵を欺くことができるか」についての嘘課題に子どもは何歳からできるようになるかを調べようと思っていました。林先生の研究(2)から,6歳では難しいことがわかっています。じゃあ,年齢幅を広げて,①5-6歳,②7-8歳,③成人,で比較しよう。それだけでは弱いか。。。どうしたら。。。と悩んでいるところに,上記2つの研究がヒントになりました。幼児・児童では,他者利益よりも自己利益のための嘘課題で正答率が高いという研究(3)と幼児では,年齢が上がるにつれて,答えない・拒否が減り,嘘をつくようになるという研究(4)です。そうか,条件として,自己利益か他者利益かで分ければいいし,欺き方を分類できる。これに,二次の心の理論との関係を見たらおもしろいし,新しい研究になる!とギリギリで先生に伝え,いいね!となりました。

 

4年前期は,学生が就活のため,ゼミはあり〇〇〇。メールや個別相談をしながら,研究を進めました。院試が終わった9月末に,急いで嘘課題を作りました。メルカリでパペットを3種類買って,大学の空き教室で,後輩に動画を撮ってもらい,動画編集ソフトで,修正して声を入れました。その後,二次の心の理論課題を作りました。地元の学童保育と保育園にアポ取りして,保育園は直前過ぎて断られ (ハイキングがありました),学童のみでデータをとれることになりました。ですので,①幼児データはなくなりました。10月は,学童保育に通い,一緒におやつを食べて,宿題を見てあげて,ドッチボールをしていました。空き時間に1日4人ずつくらい,2つの学童に通いながら,10日くらいかけて,小学生1,2年生34名のデータを取りました。ついでに,将棋やりたい子がいたので,将棋のやり方を教えていました。成人のデータは,10月後半~11月前半で,大学内をパペット持ちながら,暇そうな大学生に声をかけてやってもらったり,知り合いの伝手で集めたりしました。大学生は37名データを取りました。

 

卒論は,イントロと方法,結果のフォーマットは,大学院受験用の研究計画・報告書の文章を軸に10月中に書きました。結果とアブストは11月中に書きました。これからは,効果量と95%信頼区間も必要だと本や学会で聞いたので,それらを調べながら計算して論文に書きました。検定力がわからなくて,卒論には書けませんでした。12月中に考察を書き,ゼミ生どうしで,誤字脱字,文献の書き方を確認し読み合いました。クリスマスぐらいに,指導教員にチェックしてもらい,1月の頭に,大学に提出しました。ゼミ生で一緒に提出しようってなり,なぜか,1日目にギリギリ滑りこみで提出しました。地味に,あの黒い表裏紙に挟んで,シール貼って,卒論完成させるのが時間かかります。ひもの通し方もよくわからないです。卒論を提出する際には,余裕持ちましょう。あと,プリンターは壊れます。パソコンフリーズして,強制終了して,最新データ消えます。気をつけましょう。

 

卒論執筆に関して,いきなり書き始めるのではなく,しっかりと骨組みを考えましょう。つまり,イントロも①大きな問題や社会問題,一般的な内容,②卒論のテーマ,③先行研究,④先行研究の問題点,⑤本研究の目的,⑥仮説,など,考察も,①結果の要約,②仮説の支持不支持,③それぞれの仮説の考察 (先行研究との一致,なぜこの結果になったのか,など),④全体の考察,⑤本研究の限界と展望 (批判点や見なかった点,など),⑥サマリー,などです。APAスタイルや,日本心理学会のものに従って書くのが多いと思います。指導教員に確認しましょう。心理学の論文には,書き方のルールがあります。特に,統計値や引用に関して。倫理審査あるなら通しましょう!最近は,倫理通ってない研究は,ジャーナルに受理されません。

 

私の卒論に関しては,プレプリントとして公開しました (https://psyarxiv.com/85b36/)。7,8歳児は,敵と仲間が同時に存在する葛藤場面では,他者利益のためには,チャンスレベル,自己利益のためには,チャンスレベルを超えて敵を欺くことができました。また,これらの欺きの正答率と二次の心の理論には関係は見られませんでした。しかし,他者利益課題の際に,二次の心の理論課題に正答した子どもは,嘘をつくのではなく,教えなかったり,教えることを拒否したいする方法を選びました。

 

卒論執筆の参考にした本

『心理学論文の書き方―おいしい論文のレシピ』|感想・レビュー - 読書メーター

『心理学論文道場―基礎から始める英語論文執筆』|感想・レビュー - 読書メーター

『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』|感想・レビュー - 読書メーター

『APA論文作成マニュアル 第2版』|感想・レビュー - 読書メーター

-> 日本語版だと,第6版,英語版だと,第7版が最新です。絶対に最新を参考にしましょう。

執筆・投稿の手びき | 日本心理学会

 

研究計画の参考にした本

『他者とかかわる心の発達心理学: 子どもの社会性はどのように育つか』|感想・レビュー - 読書メーター

『なるほど! 心理学研究法』|感想・レビュー - 読書メーター

『心理学マニュアル 要因計画法』|感想・レビュー - 読書メーター

 

統計分析の参考にした本

『伝えるための心理統計: 効果量・信頼区間・検定力』|感想・レビュー - 読書メーター

『心理統計学の基礎―統合的理解のために』|感想・レビュー - 読書メーター

『続・心理統計学の基礎--統合的理解を広げ深める』|感想・レビュー - 読書メーター

『教育・心理・言語系研究のためのデータ分析 研究の幅を広げる統計手法』|感想・レビュー - 読書メーター

『Rによる心理データ解析』|感想・レビュー - 読書メーター

 

文献

(1) 林創 (2016). 子どもの社会的な心の発達―コミュニケ-ションのめばえと深まり. 金子書房

『子どもの社会的な心の発達: コミュニケーションのめばえと深まり』|感想・レビュー - 読書メーター

(2) Hayashi, H. (2017). Young children’s difficulty with deception in a conflict situation. International Journal of Behavioral Development, 41, 175-184.

(3) 南島彩乃・藤野博・松井智子・東條吉邦・計野浩一郎 (2016). 定   型発達児とASD児における欺きと心の理論―自分のための嘘と他人のための嘘―. 東京学芸大学紀要:総合教育科学系Ⅱ, 67, 235-242.

(4) Kikuno, H., & Kikuno, Y. (2015). Can Young Children Help Others by Deception? Active and Passive Deception. 環境と経営, 21, 119-125.

 

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院試勉強法,面接について

【面接・二次試験】

私は,大学院の面接を2校受けているので,それらについて思い出して書こうと思います。なんとなく,今回はイニシャルトークで,KB大学とKT大学として話を進めていきます。服装は,スーツが無難でしょう。

 KB大学は,20分くらいの面接だったと思います。面接官は,3名でおそらく臨床の先生が2名,発達の先生が1名だったと思います (質問の内容と研究紹介の反応から)。志望した先生が面接官にいなかったのは,驚きでした。まずは,何か話して?的な感じだったので,卒論から研究計画への流れを話しました。その後,研究計画に関する質問が3人の先生からありました。専門的な話ですが,私が出したテーマは,「子どものうそ」に関することで,その主な二大要因としては,「心の理論」と「実行機能」があります。KB大学の研究計画書は,「心の理論」をメインで書いたので,そこをおしつつ,発達の先生から,「実行機能」との関係はどうなの?と待っていた質問が来たので,補足としてそちらからの説明も行いました。私の研究をおもしろがって聞いてくれていたので,面接は研究発表のような,試されるというよりは,研究に関して質疑応答をしながら議論できた感じでした。最後に,評価に関係ないが,他の大学院も受けているかを聞かれたので,「はい。」とだけ答えました。現実的に,よっぽど自信があるか,覚悟があるかじゃないと,1校だけを受けないですよね。複数校を受け得ることは,大学側もある程度了承しているのではないでしょうか。変に嘘をつくくらいなら,正直に言ってもいいと思います。

 KT大学は,30分きっちりの面接でした。面接官は3名で,コースの先生が2名,テーマに近いコース外の先生が1名でした。進行役は,志望した先生で,どんな研究がしたいかや本研究のオリジナルなど,広く質問されました。もう一人のコースの先生は,研究内容に関してクリティカルに質問された感じでした。そういう役割分担をしているのだと思います。子どもの嘘の発達を検討するために,脳活動を見る必要があるの?嘘と欺きの違いをしっかりと定義する必要があると思うけどどうなの?が覚えている,おーいい質問するなあって思ったものです。コース外の先生は,社会学が専門の先生でした。一番私の研究から離れている先生だったので,この先生が理解できることを意識しながら研究を説明しました。なかなかおもしろいコメントや質問をしていただいたので,あまり緊張しませんでした。30分あっという間だった感じです。さすが,KT大学,他を受けたかどうかは,質問されませんでしたね。

 私は,学部時代にあまり,研究に関して議論する機会がなかったので,自分の研究に対して専門家からコメントやフィードバックがもらえたり,研究の議論ができたりするのが,実は楽しみだったので,面接はあまり緊張しませんでした。院試は,筆記試験勝負で,面接は,自分がどれだけ研究計画を考え抜いたかを示す場だと思っています。自分の研究のオリジナルな点,意義,おもしろさだけでなく,限界や周辺の知識も調べておくことで,だいたい質問されることはわかりますし,自分なりの答えはできます。わからないことは,すなおにわからないと答えてもいいと思います。逆に意見を言って,一緒に考えちゃえばいいんじゃないかと思っています。思考停止で終えることが一番良くないのではないでしょうか。

 その他,いろいろ細かいエピソードはありますが,今回はここまでにします。私はあまり,重要な面接の経験はないので,参考にならないかもしれませんが,面接官と私たちは,対等であるという認識でいいと思います。おっいい質問ですね!と私は思はず言ってしまいました。面接官の質問によって,自分があえて言わなかったことを引き出してもらうと気分がいいですし,考えてもいなかったことを質問されたら,研究が進むチャンスかもしれません。でも,たぶんこう言えるのは,私の面接官がいじわるではなかったからかもしれません。世の中には,いじわるな面接官もいて,とても悲しい思いをする (した) ことがある人がいるかもしれません。

 そう考えると,院試は運の要素も (大きく) あるのかもしれませんね。

 

 対策についてですが,研究計画についてしっかりと把握しておく。5分くらいで完結に説明できるようにしておく。意義やおもしろさを説明できて,限界とそれを超えるためのアイデアなどがあると良いでしょう。話が上手なことよりも,話の要点をしっかりと伝えることがとても大切です。大学の先生方だって,みんながみんな,話し上手なわけではないですよね。難しい質問でも,考えてみて自分なりに意見を言えるようにする。コミュ力にみなさん焦点を当てがちですが,その場しのぎの空っぽな応答はばれます。しっかりと準備をして臨む。友だちや先輩に面接官役をしてもらって,惨めでもダメ出しをしてもらうことが必要でしょう。

 

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