院試勉強法,英語について

 大学院受験をしている大学生の話を聞いたり,ツイッターを見たりしていますが,オンラインでの試験はやりにくいようですね。臨床心理学の大学院を受ける受験生が多いですね。実験心理学発達心理学での進学は,内部が多いのでしょうか。就職のリスクが先に言われる世の中ですが,勉強したい・研究したいという気持ちを優先できるようになると良いのにと思います。最近だと,教師や保育士の方々も修士課程を経て現場に行く方も増えてきましたね。修士のハードル (就職難や心理的な壁) は,下がってきているのかな?と思ったりもしています。さて,今回は,【英語勉強法】について書きます。

 

 

【英語勉強法】

第一に,心理系の大学院生の生活には,英語は必須でしょう。英語が嫌なら,よっぽど,日本語で最後までやるんだ!という覚悟を持って,日本独特の現象を日本人を対象に行う必要がありそうです。実験系で研究を続けようと思っているなら,読み書き話しが必須です。私の研究室では,基本的に英語で論文を書きます。修論も英語で書きます。国際誌に論文を投稿していくことが大学院生にも当たり前になってきています。私は最近,海外の研究MTGに混ぜてもらいながら,英語を使うタイミングをうかがっています (何人かで議論しているところに,英語で入っていくのをまだ,躊躇してしまいます)。そのうち,発表させてもらえそうなので,少しずつ準備をしています。このように,英語がある程度できないと,そもそも研究活動が難しいと思います。もちろん,科学技術が克服してくれるかもしれませんが。

[追記10/31 国内で臨床心理士になる方や修士課程だけを考えるなら,英語におびえることはないかもしれません。煽ってすいません。博士課程へ進み研究を続けようと思っているなら,英語は必須だと思います。]

 受験勉強に関してですが,専門と同様,大学院ごとに問題の傾向が違います。①民間英語テスト,②総合問題,③和訳のみ,という感じでしょうか。他にもあるかもしれませんが。私が受けた,神戸大は,①と,専門の一部に②がありました。京大は,③でした。

①民間英語テストに関しては,民間テストの点数表から一律に換算するのだと思います。TOEIC 〇〇点は,TOEFL ○○点と同じというものがあって,それを5段階 (A,B,C,D,E)とか,数値 (100 ~ 0)にするのではないでしょうか。基準点はわかりませんが,大学生の平均あたりが,50 ~ 60点くらいだと思っています。私は,一斉受験のTOEFL ITPしか受けたことがありません。私の大学での卒業要件が,TOEFL ITPの500点,TOEIC 600点だったので,これが,60 ~ 70 / 100点くらいと見積もりました。520は最低必要で,550点取れたら良いかなと,3回受けました。4月,5月,6月で,520 -> 527 -> 530という感じで,530点で提出しました。このテストは,一回5000円くらいです。受験校が,このような方式なら,学部3年生以前のうちから対策ができるので,目標点をとってしまいましょう。

 ほとんどの大学では,③和訳が英語のテストとしてあるのではないでしょうか。京大は,本や論文の一節,まるまる和訳というものでした。英語の採点に関しては公平のために,外部機関に委託をすることもあります。そのため,研究科で統一の問題を解くことになるかもしれません。京大教育の場合,専門は各自のコースの問題でしたが,英語は,教育研究科で統一のものでした。そのため,ばりばり実験心理学の人が,教育方法に関する英語に当たる年もあります。おそらく,バランスをとるために,複数の英文を選んでいると思います。

 大学受験と同じように,よっぽど英語に自信があるのではないなら,「直訳」が良いです。SVOC, SVOOにしたがって,きっちり訳していきましょう。こうすることで,語彙と文構造の共倒れは避けられます。やっぱり,すべての専門用語を覚えることはできませんから。私は,すごくショックなミスをしたのを今でも覚えています。”scaffolding”を「足場つくり」と訳すところ,「排斥」という,まったく違う意味として書いてしまいました。今では,当たり前に知っている用語ですし,当時も日本語では知っていたはずです。訳していて,ポジティブな文脈なのに,なぜ,「排斥」なんだ?でも,なんかつづりが,排斥っぽいし,時間もないから,これで行きました笑 院試には魔物が潜んでいるのかもしれませんね。ちょっとくらい間違っても,言いたいことはわかってるし,他の部分はしっかりと訳したからいいかなっと思っていました。

 勉強法ですが,①英単語 (一般のもの,心理学大学院)例文和訳,②論文アブスト&イントロ和訳,(③TOEFL ITPの対策本) を行いました。普段から,卒論や研究計画に使う英語論文は読んでいることは,当たり前のことですよね (ちょっと厳しめに言っています)。

 ①に関しては,大学入試ぐらいのもの (大学入試に使って家にあった『キクタン【basic】4000』)と心理学大学院用のもの (山崎有紀子『心理院単』)を使っていました。じっくり覚えようとしても時間がもったいないので,視覚ワーキングメモリを利用して,パッパッパッと繰り返し目の前に提示しました。ある程度覚えたかなと思ったら,心理院単の右ページ?をすべて和訳して自分で採点をしました。一文ずつなので,1文1分くらいでしょうか,20問まとめて,20分くらいでやっていました。今手元にないのですが,確か,心理学分野ごとに分かれていたかと思います。慣れてきたら,頭の中で和訳して,答えを見ながら確認していました。キクタンはまあ,暇なときに見る感じでしょうか。意外と日常単語や動詞を忘れることがあるので,気をつけましょう。

 ①がある程度できるようになったら,少し長い文を和訳する練習していくのが,良いでしょう。よく『ヒルガード』を和訳するのが良いと言われます。英語版と日本語版があるので,便利ですね。私は,「生物心理学」と「発達心理学」だけ訳しました。長くて疲れるので,自分の専門だけで良い気がします。要約だけ訳すのも良いですね。その後は,自分が卒論と研究計画に使っている論文のアブストとイントロを和訳しました。その論文の理解が深まるし,専門の勉強になるし,論文構成の参考になるし,英文和訳の勉強になるし,一石四鳥だと思います。たぶん10本くらい訳しました。そのくらいで十分かと思います。論文の英語は,基本的に構造はわかりやすく書かれているはずです (はずです) から,良い勉強材料になりますね。

 あとは,英語で答える問題があるかもしれません。内容要約するための語彙は準備しておきましょう。examine, investigate, show, suggest, aim, hypothesis, participant, などでしょうか。

 

 連続で院試を受けている方もいますね。すぐに切り替えられないこともあります。それだけ,一生懸命準備してきたのですから。頑張り切れなかったことを後悔している方もいるかもしれませんね。どうか最後まであきらめずに。応援しています。心理学を勉強している仲間がいるというだけで私はうれしいです。

 

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