国際誌への投稿と査読結果からプレプリント - 卒論の続き

気づけば11月半ばですね。卒論・修論の提出が本格的に迫ってきましたね。私も修論を書いており、現在イントロと方法を書いています。実験はいろいろとトラブルがあり、少し止まっているので、ハラハラしています。オンライン実験を計画しています。ウェブ調査会社のアンケート画面から実験用のURLに進み、実験プログラムをダウンロードしてもらい、実験を行い、またアンケート画面に戻り手続きをするようにしています。①新しい実験ソフトウェアでのプログラミング、②ウェブ調査会社とのやりとり、③実験ソフトのライセンスが切れる、とトラブルが続き、時間がかかってしまっています。

 

この研究は、イントロと方法、予備実験のデータをまとめて、レジレポする予定です。修論では、このレジレポに肉付けしようと思っています。プレレジとレジレポは、今後、心理学を志す学生さんは、調べておくとよいです。簡単に言うと、プレレジは、研究のイントロと方法を事前に登録することです。私も一つ行っています (https://osf.io/dgy3v)。レジレポは、このプレレジ (+ 予備実験データ) を雑誌投稿して、査読することです。データを見てから、イントロや仮説を変えるということができないように、事前に登録するものです。

 

私主体でやっている研究は、2つで、一つはプレレジ、一つはレジレポ予定、で行っています。卒論でやった研究は、プレプリント (https://doi.org/10.31234/osf.io/85b36) と来年の国際学会発表 (BCCCD21) します。なので、3つの研究に関して、いろいろ作業しています。まだまだ、少ないですが、少しずつ同時並行で、できるようにがんばっています。

 

卒論の話の続きをします。学部4年生の1月に卒論を提出してから、2,3月で英語に直しました。卒論などの学位論文は、雑誌論文と違って、イントロや結果、考察で多めに書くことが多いです。雑誌論文は、必要最低限のものだけを書きますが、学位論文は、研究や勉強の成果を書きますので、その分が多いです。私の卒論は、日本語で2万字、英語でもそのくらいだったと思います。それを、英語で4000 ~ 4500 wordsにするという、最初のミッションがありました。私の実験は、人形劇をしていて、条件も複数あり、詳細を方法に詳しく書く必要がありました。また、いろいろ盛り込んだ部分があり、論理的に繋がらない部分を抜きました。

 

先輩や先生に直してもらいながら、4~7月で書き、初めての雑誌投稿をしました。そして、二日後に、"エディターキック" デビューをしました。エディターキックとは、論文がレビュワーに回ることなく、編集担当者 (エディター) によって拒否されることです。2つ目の雑誌に投稿したときは、半日でキックでした。めっちゃ早くてびっくりでした。その後、1週間キックがあり、4つ目で、7か月のレビューの末、修正後投稿がありました。修正して、英文校正をして再投稿しましたが、拒否になりました。これは、少しショックでした。その後、一週間でレヴューが来て、拒否、その次は、倫理規定の関係 (倫理審査を通せなかったから) で拒否でした。一年半で、計6回拒否をされて、もう出せるところがないし、せっかく英語で書いたし、アイデアは面白いと思うし、日本語にして紀要論文に出す気もないし、少しでも多くの人に読んでもらえる方法として、アーカイブプレプリントとして残すという決断に至りました。プレプリントの正しい使い方ではないかもしれませんが、やった研究を何かしらのものとして世に出すことは大切だと思っています。

 

ちなみに、査読結果については、①受理、②小規模修正、③大規模修正、④掲載拒否があります。査読者も2~3名が多いと思います。もし、学部生などで、査読に関して詳しく知りたい方は、「論文投稿」とか、「査読」などで調べてみると良いです。あとは、身近な先生や大学院生に聞いてみてください。そして、愚痴を聞いてあげてください。

 

そういう経緯があり、卒論は、英語でプレプリントとして、PsyArXivにアーカイブしました。そして、卒論研究でも、研究者を目指す方や大学院に進学する方は、できる限り、倫理審査を通したほうが良いと言っているのは、こういう経緯があったからです。日本語の紀要論文だったら、倫理通ってなくてもいいところもあると言われましたが、倫理を通すことは、研究の質を担保する最低限の基準です。そして、倫理審査委員会がない大学や研究科もあると思います。研究を志す学生のためにも、ぜひ設置してほしいです。

 

私もめげずに、研究を続けていこうと思っています。学振DC1は、落ちてしまいましたが、来年のための研究助成金を2つ申請しました。今年度中にも、今やっている研究の論文を投稿しようと思っています。また、落ちるかもしれませんが、私の研究はとても面白いし、応援してくれている人もいるので、頑張りたいところです。2月に博士課程の大学院入試を受けます。

 

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