5/1に書いた日誌、学振、京大文学心理、論文・本紹介、クオリア構造シンポジウム、予備校

研究費のクラウドファンディングを今後考えており、私の研究内容や研究生活を一般の方 (普段研究をしていない方) に知ってもらうことも重要であると思っています。また、意識や発達の研究に興味がある方が勉強を始めたり、勉強のモチベーションになったらいいなと思っています。あとは、私自身がとても人見知りで、自分から話しかけるのが苦手なので、私の情報はオープンにして、興味ある方から声をかけてもらいたいスタイルです。日曜日には、対人予定がないので、今週終わらなかったタスクに集中しようと思います。今週はレジレポ論文の修正と今後の研究計画を考えていました。その他の時間は、仕事やゼミなどに参加していました。

 

月曜日は、8:30-17:00は、高校で仕事をしています。理科の実験補助や職員室の雑務などを行っています。直接授業をするわけではないので、忙しい先生方の負担が少しでも減らせたらいいなと思いながら仕事をしています。作業中は、研究のことを考えたり、こっそり論文を印刷して持って行って、読みながら作業をしたりしていました。その後、研究室に戻ってから、作業をしていたのですが、論文執筆がなかなか進まなくて、研究計画を考えることに切り替えました。

子どもの意識と脳を研究する意義を改めて考えています。学振DC1では、幼児の意識と脳の発達を書いていましたが、評価されず不採用になりました。業績が少なかったとか、認知科学分野が広すぎるとか、テーマが新しすぎるとか、いろんな理由がありますが、シンプルに評価者を説得できなかったからであり、研究の意義が弱かったなと思っています。意識のネットワークについて新しいことが考えられないかなと妄想をしています。今年度の学振採用者が発表されていました。心理・認知科学分野のリストを見て、自分もがんばらないとなと思いました。

学振採用者一覧

www.jsps.go.jp

 

火曜日は、高校は午前勤務、昼からゼミ、夕方別の高校の研究ゼミTAのあと、研究室で作業をしていました。文学研究科に入ってから、文学研究科心理の院生の研究発表ゼミに参加しています。京大文学の心理では、知覚、動物、発達の基礎心理学の研究室があり、大変勉強になります。最近の公認心理・臨床心理方面の流れからは、外れてしまっている?かもしれないですが、ヒトを含む動物の行動や心理の不思議を実験的に研究するのも重要だと思いますし、すげーおもしろいです。今週は、視覚と認知発達の研究発表でした。次回は私が発表するので、準備をしないといけません。修論の研究を発表しようかなと思っています。

京大文心理学研究室

www.psy.bun.kyoto-u.ac.jp

 

水木は、仕事がないので、研究に専念する日と決めています。水曜日の午前には、隔週研究MTGをしていて、今週はMTGがない日でしたが、論文の原稿を指導教員に送る約束をしていたので、執筆をしていました。結局その日の夜に、すいませんと謝って締め切りを次の日にしてもらいました笑。結局、金曜日の早朝に送りました。。。イントロを書き直している中で、ちゃんと読む必要がある論文が増えたのと、構成を考え直す必要があったので、時間がかかってしまいました。合間に、研究室でやっている英語で発表・議論するゼミに参加しました。

意識研究関連の論文

☆An information integration theory of consciousness

bmcneurosci.biomedcentral.com

意識の主要な問題として、①意識のレベルと②意識の内容、に関して、統合情報理論からの理解と仮説などを提案している論文です。

 

☆The information available in brief visual presentations.

https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fh0093759

4 × 3の12個の文字を出して、いくつ再認できるか?を答えると、だいたい4/12個くらいですが、音の高さで答える列を指定すると、3/4回答できて、総合的に考えると9/12くらいを答えられる (体験してる?) ことを示した論文です。APAで手に入りにくいかもしれないですが、リサーチゲートにアップされています。英語も読みやすいですし、認知心理学の教科書には必ずのるくらい有名な研究ですね。

 

☆Are we underestimating the richness of visual experience?

academic.oup.com

意識体験の報告可能量には限界がありますが、意識体験は、報告可能以上の容量があるのかどうかなどを議論しています。

 

発達研究関連の論文

☆A mathematical model for the transition rule in Piaget's developmental stages

www.sciencedirect.com

ピアジェの発達段階説は有名ですが、その背後にどのような情報処理過程があるのかをM-spaceあるいは、M容量などによって説明しています。ワーキングメモリとは、少し違う概念であると言われています。要は、容量が年齢と伴に増えて行って、その容量に伴って、発達段階が上がっていくというようです。

 

Ensemble perception of size in 4–5‐year‐old children

onlinelibrary.wiley.com

ジスト知覚と言って、成人は、画像を見た際に、そこからだいたいの情報を瞬時に把握することができるのですが、幼児でもそういったことができるのか、特に、画像にあるものの大きさの平均の知覚に関して検討しています。4-5歳でも、大きさの平均の知覚ができるようです。

 

☆Inattentional blindness to unexpected events in 8–15-year-olds

www.sciencedirect.com

不注意盲 (顕著なものを見落とすような現象) に関して 、子どもでも起きるのかを検討しています。11歳くらいで大人と同じくらいの成績で、それより小さい年齢では、見落としやすいようです。

 

☆The development of change blindness: children's attentional priorities whilst viewing naturalistic scenes

onlinelibrary.wiley.com

アハ体験として、一時期テレビでも流行った、画像などが変わることに気づない現象である変化盲ですが、子どもでも起こるのかを検討しています。これも、10-12歳くらいで成人と同じくらい変化に気づけるが、それより小さい年齢だと、変化を見落としやすいようです。結果のデータを見てみると、6-8歳でも、課題の正答率が90%超えているので、全体的には、6歳からでも画像の変化にはほとんど気づけるとも考えられそうです。

 

☆The Development of Visual Short‐Term Memory Capacity in Infants

srcd.onlinelibrary.wiley.com

4-13か月の赤ちゃんを対象に、画面に出た複数の四角の色の変化にいくつ気づけるかを、短期的な視覚記憶の容量として検討しています。10か月児は、成人と同じくらいの3or4個の変化に気づけました。赤ちゃんの研究には、選好注視法や期待違反法といって、赤ちゃんの視線を計測します。赤ちゃんは、「好きなもの」と「新しい」ものをよく見ます。また、飽きたものは見なくなります。ずっと同じものを見せて、飽きさせてから、違うものを見せると、同じだと判断すれば、見ませんが、違うと判断するとまたよく見ます。このような方法によって、赤ちゃんの知覚研究は行われています。

 

私の研究テーマは、意識の発達です。対象年齢は、赤ちゃんから小学生、成人です。普段は、子どもの認知や知覚、脳の研究や成人の知覚と意識、脳の研究の論文を読んでいます。こどもの認知発達に関しては、『おさなごころを科学する』が大変わかりやすいです。私もこのような本を書きたいものです。論文の修正に追われた水木でした。

おさなごころを科学する

https://www.amazon.co.jp/dp/B077RVVY5W/ref=dp-kindle-redirect?btkr=1&ie=UTF8&language=ja_JP

 

他には、学術変革B「クオリア構造」の新しい国際シンポジウムがあるので、そのやりとりや宣伝を行っていました。英語ですが、興味がある方はぜひ!

クオリア構造

qualia-structure.labby.jp

 

Information Structure of Brain and Qualia Symposium

qualia-structure.labby.jp

 

関連して、金井さん、土谷さん、大泉さんの意識ラジオがおもしろかったので、興味のある方は見ると良いです。意識研究者として、世界的に活躍している3人ですが、研究内容だけでなく、3人の関係性などもおもしろかったです。私も、『7つの習慣』を読もうと思いました。あと、カジサック。私が認知科学に進みたいと思ったのは、学部2年生の時に読んだ『脳のなかの天使』でした。

On AI and consciousness のフォローアップ [collaboration event between CC Tokyo & Qualia Structure]

www.youtube.com

 

脳の中の天使

https://www.amazon.co.jp/dp/4041101042/ref=cm_sw_r_tw_dp_EN48F7SGWF8RH1NEVYQZ

クオリアについて初めて知った本かもしれません。あと、幻肢痛やミラーボックスに衝撃を受けました。図書館を歩いているときに、きれいな黄色い本だなあと思って手に取ったのがきっかけでした。色クオリアに導かれたのでしょうか。

 

金曜日は、午前に高校勤務で夕方は予備校講師をしています。午後は、研究計画を考えていました。研究のクラウドファンディングでは、一般の方の共感を得られるように研究を伝える必要がもちろんあります。「子どもが生きやすい社会」にしたいという思いと実際にやっている研究には、どうしても乖離ができてしまいます。未来にそのギャップが埋まるかもしれませんが、今埋めることはなかなか難しいです。学振に少し不信感を持っているのは事実ですが、クラウドファンディングも甘くないということを身をもって感じています。私自身の研究や生活ももちろん大事ですが、これから大学院生になって研究を志したいと思っている人が、できるだけ諦めずに生きていけるような選択肢というかシステムを開拓していきたいですね。そんなことを考えているうちに、仕事の時間になりました。

 

土曜日は、一日予備校で、心理英語の解説をしています。次回から、認知科学関連の授業ができるようになりそうなので、わくわくしています。私自身が、ヒトの行動や脳の不思議に興味を持って今に至るので、おもしろさを伝えられる人でありたいです。私も心理学や認知科学の学部出身ではないので、独学でやってきたわけですが、独学でやろうと思ったときには、最初にはメンターみたいな人がいると勉強しやすいようにも思います。私のできることや知識で、誰かがハッピーになれば、うれしいことです。発達や私の興味に近いことだったら、研究や院試の相談やお話聞きますので、ご連絡ください。(未来の?) 研究仲間ですから。

 

そんな一週間でした。倫理申請書1、申請書1、回答書1、学会の抄録3がたまっていて、明日中に終わらせようと思います。そこら辺を来週の報告書で書ければと思います。今週読んでいた本も紹介しておきます。学振を書いている方々、そうでない方々もがんばりましょう!

 

意識をめぐる冒険

意識をめぐる冒険 | クリストフ・コッホ, 土谷 尚嗣, 小畑 史哉 |本 | 通販 | Amazon

意識研究の心のバイブルっすね。意識の研究で道に迷ったときに、読んでいます。

 

発達認知神経科学

https://www.amazon.co.jp/dp/4130111345/ref=cm_sw_r_tw_dp_GEAF01WJRS1R5JNBEN9S

子どもの脳や認知発達を研究したいなら必読書です。大学院受験の際に読みましたが、再読しています。子どもの意識を生みだす神経ネットワークについて考えています。

 

進化発達心理学―ヒトの本性の起源

https://www.amazon.co.jp/dp/4788510960/ref=cm_sw_r_tw_dp_F20JJ0PCPJJRJWFPHAD0

子ども期の重要性に関して、とても重要な示唆があります。発達を志すなら必読書 (だと思います)。大学院受験の際に読みましたが、再読しています。子どもの意識が成人のものと違うなら、子どもの意識は、子どもにとってどんな機能があるのかを考えています。

 

哲学する赤ちゃん

https://www.amazon.co.jp/dp/4750510114/ref=cm_sw_r_tw_dp_4WD663PVRPAFBVA8M49A

乳幼児、特に赤ちゃんは、どんな世界を生きているのでしょうか。

 

発達科学ハンドブック 8 脳の発達科学

https://www.amazon.co.jp/dp/4788514443/ref=cm_sw_r_tw_dp_R1XDN3WEG42QHKT917A1

上記の「発達認知神経科学」よりは読みやすいと思います。各章を別の研究者が書いているので、いろんな知見を勉強することができます。