私の進路に関する動画を見た高校生から質問がありましたので、回答しました。

私の進路に関する動画を見た高校生から質問がありましたので、回答しました。

動画: https://youtu.be/-cuKq-8hWaM

 

【質問】
大学に入る前から就きたい職業を決めたおいた方がいいと思いますか?

-> 絶対に就きたい職業があるならそれを目指す進路を考えるのが良いと思います。しかし、まだ決まっていないなら、就きたい職業よりも「人生でやりたいこと」を考えてみても良いかもしれません。人生でやりたいことを実現するために何をどこで学んだら良いかを考えてみても良いでしょう。

 

留学のメリットとはなんですか?

-> 自分や自分の周りの考えやルールが当たり前ではないことに気づけます。高校生のうちに就きたい職業を決めないといけないと、世界中の10代後半の人間が思っているわけではないですよね。日本のルールや生き方が苦しかったら、海外に行けばよいかもしれません。そういった広い視点と心の余裕ができます。もちろん、どこで何をして生きるかの選択肢が増えます。メリットが無くても海外に行きたかったら行っても良いと思います。

 

心理学を学ぶ上で数学の応用も必要になりますか?

-> 研究するテーマによると思います。心理学では行動を数字として計測して、それを分析します。この分析方法には、多くの数学が使われています。統計学で学ぶ相関や分散だけでなく、数学で学ぶ微分積分やベクトルや行列の応用などもあります。また、最近は理系の人が心理学の分野でも研究をしていますので、新しい計算方法などもどんどん開発されています。パソコンで計算と分析ができるので、数学が得意じゃなきゃいけないわけではないですが、数学の応用ができると理解が深まります。私は最近、数学の「圏論」という分野を勉強しています。

 

心理学を学ぼうと思った理由は何ですか。

-> 「わたし」や「にんげん」、「せかい」って何だろうと子どもの時から考えていました。自分の感情や思考なのに、自分で操作できることとできないことがあるのもずっと不思議でした。そういったことは哲学のテーマだと思っていましたが、心理学で実際に実験することができることを知って、考える哲学よりも、実験する心理学を学びたいと思いました。あとは、子どもの時から生きづらいなと思っていたので、子どものカウンセラーになりたいとも考えていました。

 

いつから心理学を学ぼうと思いましたか?

-> 心理学に興味があったのは、高校生くらいの時ですが、理系だったので、専門にしようとは考えていませんでした。浪人中に、哲学か心理学か神経科学をやろうと決めました。心理学に決めたのは、大学1年生の時です。大学2年から発達心理学のゼミに入り、独学で本を読みながら心理学の勉強を始めました。

 

受験勉強はいつ頃からやっていましたか、また平日と土日の勉強量はどれくらいでしたか?

-> 高3の6月に部活を引退してから、本格的に受験勉強を始めました。部活引退前は、テスト期間にテスト勉強をするくらいでした。部活引退後は、起きている時間は勉強をしていました。土日は10時間くらいで、平日は6~8時間くらいです。浪人中は、12~14時間くらいでした。

 

大学の入試のための勉強時間は高校1年生の時から1日どれくらい取るられていましたか?

-> 高校1,2年生の時は、大学入試のための勉強はしていませんでしたが、公文に通っていたので、週3時間は受験に関係しそうな数学と英語の勉強をしていました。テスト期間の平日は6時間、休日は8時間勉強していました。学校の宿題は授業中にやってしまっていました。毎日1~2時間勉強する習慣を作ると良いとは思います。

 

希望した大学に入るため高校生の時どのくらい勉強しましたか?

-> 高校生の時には、希望した大学に入るための勉強が足りなかったので、落ちました。勉強時間だけでなく、希望する大学に合格するために必要なことをしっかりと勉強することが大事だと思います。高2,3なら大学の過去問や共通試験で合格点を取るためには何が必要かを知り、今の自分と合格する自分のギャップを埋める必要があります。そのギャップが埋まる勉強量が必要です。高1やまだ基礎が定着していないなら、まずは基礎固めでしょう。

 

自分に合った大学の選び方を知りたいです。

-> 合ってるかどうかはやってみないと難しいですよね。自分に合うかもしれない大学を複数個見つけて、どこに進学しても良い状態にするのが良いと思います。これがないとだめ、というものがあったら、それを中心に決めると良いと思います。例えば、①場所、②学風、③学問、などのどれかがあれば、最低限良いのではないでしょうか。私は、①都市、②国際的、③自由に選べる、から、横浜市立大学を選びました。

 

カウンセラーなる為に最低限はできた方が良い(高校での)教科を教えてください。

-> 他者の心情を考えるという意味では現代文、思春期を含む心身の変化という意味で保健、入試のために英語、が大事だと思います。カウンセラーになるためには、大学院進学する必要がありますが、大学院の入試に英語があります。英語ができないといろいろと苦労しますので、英語の勉強は特に大事です。

 

動画の内容とは関係がないですが、自分は勉強時間を作るのが下手です、ですので時間の組み立て方の工夫などがあれば教えてください

-> 人の計画力と集中力には限界がありますし、誘惑にも弱いです。これは、根性とかの問題ではありませんし、私も苦労しています。環境を整えることが大事です。例えば、勉強する時間と場所を決めるなどです。放課後の○○時~○○時は、図書館で勉強するとか、公共の施設で静かな部屋を借りるなどが良いかもしれません。集中力も長くても2時間でしょう。1つの教科は1時間くらいにとどめて、切替えて勉強するのが良いと思います。勉強する時には、スマホは使えないようにするのも大事だと思います。

 

大学の授業で興味のある授業を取るか得意な授業を取るかどちらが良いと思いますか?

-> 両方とっても良いと思います。大学では、卒業に必要な単位数と必修科目があります。それを最低限満たせば、その他は自由に授業を取っても良いです。得意な科目でも、卒業単位に関係なく興味がなかったら取らなくても良いと思います。私は興味のある授業だけ取ったら、卒業単位数を20単位くらい (10つの授業) 超えていました。

 

心理学の授業で一番楽しかった授業は何ですか?

-> 心理学の授業では、発達心理学の授業が一番楽しかったですね。「心の理論」という他者が何を考えているのかを推測する能力があって、それを測定する「サリーとアン課題」というものがあって、それは6歳にならないと正解できなくて、自閉症スペクトラムの人は、それがさらに苦手であること、などが、おもしろかったです。大学で一番楽しかった授業は、思想研究入門という哲学の歴史の授業です。先生がおもしろかったのと、哲学者が考えてきたことがおもしろかったです。私は、けっこう哲学に関する一般向けの本とかが好きで読んでいたので、専門家による哲学の授業で、自分の知識が深まりました。フランスへの哲学留学のきっかけにもなったと思います。フランスでも哲学の話についていけました。

 

大学で習う授業は難しいですか?

-> しっかりと勉強をすればほとんど合格することができると思います。だいたいは、毎回の授業レポートや期末レポート、小テスト、期末テスト、によって評価されます。その配分が授業や先生によって異なります。私は数学の授業で、期末テストのみの評価の授業を受けて、私は合格しましたが、1/3くらい落ちていた授業がありました。 私はお言葉に甘えて、最初と最後しか授業に出ていなかったのですが、ちゃんとテスト勉強をしました。分野や学門によると思います。

 

大学で学べるものを具体的に知りたいです。

-> 基本的には、「学問」と検索して出てくるものが学べます。○○学というものです。私が主に学んでいるのは、「心理学」と「神経科学」と「哲学」です。さらに、それぞれの学問の中にも、いろいろなテーマがあります。私は、心理学の中でも、子どもに関係する「発達心理学」、さらに、子どもの脳発達と認知発達、意識の研究をしています。では、「脳発達」と「認知発達」、「発達心理学」とは何でしょうか?なにがわかっているのでしょうか?そういうことを大学の授業では学びます。

 

心理学の授業ではどのようなことを学べますか。

->心理学の歴史と心理学の分野、心理学実験・論文の書き方を授業では学びます。心理学はどんな学問でしょうか?どんなことを研究してきたのでしょうか?そういったことを心理学の歴史で学びます。次に、発達心理学認知心理学、臨床心理学など、○○心理学という心理学の中でも○○に特化した心理学を学びます。最後に、心理学は実験や調査、観察などのデータを集めて分析して報告します。それらの方法を学びます。

 

意識の発達研究と子ども達にはどのような繋がりがありますか?

-> 意識は世界の見え方や感じ方を意味します。それが生まれてから死ぬまでにどう変化するのかを研究しています。子どもと大人の意識が異なるとしたら、大人は、子どもの意識を大人と同じように考えてはいけないですよね。子どもと若者、大人が分かり合えないのは、そもそも意識していることや考えていることが違うからであり、お互いに正しくお互いを知ることは大事だと思っています。

 

療育スタッフのアルバイトをしていて心理学を学んだうえで良かった点はありますか。

-> 発達心理学認知心理学は特に役に経ったと思います。子どもの認知能力、例えば、何歳ごろには、どのようなことができるのか、そして、苦手なのかを知っていることは大事です。何かを覚えておく能力や1つのことに集中する能力は、3~6歳の幼児~7~12歳の児童でもかなり変わってきます。また、発達障害を持つ子どもが療育に多いので、彼らの特徴を知っていることはとても大事です。知識がないと、子どもたちの行動に対応できませんし、むだに怒ってしまいます。子どもたちの行動には必ず理由があります。

 

心理学を学んで良かったと思うときはどんなときですか?
心理学を学んで日常生活で役に立つことはありますか。

-> 心理学は、実際に調べることが大事な学問です。ですので、間違った情報には騙されにくいです。例えば、テレビやネットで、「○○はすごい!」とか「○○は体に良い!」とか「○○する人は、△△」など、ほとんどがうそなのですが、一般の人はよく騙されてしまいます。偉い人や有名人がいうことは、信じやすいです。そういった人の信じやすさや考え方の傾向を知っているので、自分が騙されないように注意できます。また、その情報がどうやって作られたかを疑うことができます。あとは、自分や人に優しくなれるかもしれません。人間が病んでしまうメカニズムも知っていますので、自分にブレーキをかけることができます。