院試で問われているもの

 今日は,朝早起き (寝れなかった) して自転車に乗っていたのですが,朝はけっこう涼しいんですね。最近は,昼頃から活動していたのですが,朝から活動するようにしようと思います。今日は,生活リズムを調整するために,寝ずにこのまま活動を続けようと思います。

 ここ最近は,子ども向けのオンライン視覚実験の課題作成を行っています。プログラミングが得意なわけではなく,かつ,最近使い始めたソフトなので,なかなかうまくいかなくてしょんぼりする日々ですが,少しずつ改善している気がします。周りの人に急かされつつ,自分のペースでやっていこうと思います。

 今回は,【院試で問われているもの】に関して書きます。

 

【院試で問われているもの】

 私が知る限り,院試の問題は,①語彙説明,②内容要約,③ケーススタディ,④研究計画,⑤統計,⑥英語,で構成されているのではないでしょうか。どうして,このような問題構成になっているのでしょうか。大学院入試は,受験者が大学院での研究活動を行う上で最低限の知識や技能を身に着けているかを試すものです。つまり,大学院での研究や臨床実習に必要な能力を見ています。しかし,4年生は,研究活動として,卒業研究・論文を書いていますよね。卒論を書いている方なら,上記の院試の問題構成の意味に気づくでしょうか。そうです。すべて,卒論や修論を書くために必要な技能です。

 研究計画を立てずに,いきなり研究を始めることはできません。研究は,テーマが決まったら,そのテーマの先行研究を知らべます。最近では国内の研究でも,査読付きの英語論文が研究の中心になっています。先行研究を調べるためには,いくつも英語 (⑥) の論文を読まなくてはいけません。さらに,心理学の研究は,統計的分析によって仮説を検討するものがほとんどです。研究の結果は,統計 (⑤) の知識がないと理解することができません。やっかいなことに,研究の目的やデータの種類によって,分析方法は変わってきます。

 さて,先行研究も集まってきました。これで,そのテーマに関して,どこまでわかっていて,何がわかっていないかが見えてきたと思います。ここからが,あなたのオリジナルです。独自の着眼点から,もし○○ならば,△△だろう!という仮説を立てました。どうやって,その仮説を検討しますか?ここで,研究計画 (④) を考えます。独立変数や従属変数は何か?実験群と統制群をどうするか?参加者内なのか参加者間なのか?どのような分析を行うか?などなど,洗練された研究を行うためには,洗練された研究計画を考えることが必要です。ここでも統計の知識が生きてきますね。

 では,卒論のイントロを書きましょうか。広めな話から研究のテーマに入っていきます。そのテーマの専門用語や論文の中で使う専門用語を定義する必要がありますよね。ここで,語彙説明 (①) の技能が必要になります。過不足なく,その用語の定義を書く。そして,その語の重要度や位置づけによっては,さらに細かく書く必要があるかもしれません。そして,先行研究のレヴューを書きます。さて,どうやって書くか?先行研究の重要度によって,一文でいいのか,方法や結果の詳細まで書くかが決まります。ここで,内容要約 (②) の技能が必要になります。卒論を英語で書いている人は,英語の技能も必要ですね。ちなみに,京大の発達は,修論を英語で書きます。

 さて,方法書いて,実験します (ザーッと省略)。さて,データを分析しましょう。分析方法を決めていたからといって,簡単にできるとは限りません。パソコンが出した数字の集まりのどこが意味のある (必要な) 数字でしょうか?なんか,数字がおかしいかもしれない。どこかでミスっちまったかもしれない。やべえ,どこで間違えた?こういうときに,統計 (⑤) の知識が必要でしょう。まあ,ちょっと強引かもしれないけど。

 その後,無事に結果と考察を書きました。最後に,要約を書きます。最近は,要約を英語で書く大学も増えてきていますね。内容要約 (②) と英語 (⑥) の合わせ技です。

 ケーススタディ (③) は,臨床心理系で良く出るかもしれません。実習や現場に出た際に,ある状況において,その状況の理解と介入方法をその場で考えることためのものでしょう。

 上記のように,院試の問題は,研究活動と繋がっています。答え方がわからない,模範解答がわからない。そんなときは,卒論に使っている先行研究を読み込んでみるのが良いのではないでしょうか。あるいは,重要だと思われる論文。専門用語の定義の書き方,研究計画の立て方,目的・仮説と統計的分析の関係などなど。院試が重要で大変なのはわかります。ですがやっぱり,院試は,研究を続けるための中間テストのようなものです。院試の勉強を利用して,研究の技術や専門知識を身に着けると思ってぜひがんばってください。今,頭を抱えながらやっている受験勉強には,ちゃんと意味がありますし,未来につながります。研究計画を考えることも同様です。次回は,研究計画に関して書こうと思います。どうか,暑さや世間や受験に負けないように。

 

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